「BTS、ナム・ジュン・パイクの作品思わせるほど高い芸術性」

「BTS、ナム・ジュン・パイクの作品思わせるほど高い芸術性」

 「BTSはビデオアーティストのナム・ジュン・パイクが表現した高い水準の複合芸術性を見せてくれる」(チン・ヨンソン高麗大学名誉教授)。「BTSは新しい男性性の代案となっている」(コレット・バルマン英キングストン大学教授)。

 8月26日、ソウル市江南区三成洞の複合文化空間「シュピーゲン・ホール」で開かれた国際フォーラム「ビヨンド・アンド・ビハインドBTS」は、世界的に人気の男性アイドルグループ防弾少年団(BTS)が現代社会に持つ意味を哲学・美術・文学方面で話し合う場だった。国内外の専門家たちが参加したフォーラムは同日から三日間開催された。

 チン・ヨンソン高麗大学デザイン造形学部名誉教授は、BTSをナム・ジュン・パイクと比較した。チン・ヨンソン教授は「BTSのアルバムや公演、ミュージックビデオを見ると、ナム・ジュン・パイクの作品を思わせるほど共通点が多い。BTSコンサートでアーミー(BTSのファン)の上に浮かんだ『満月』は、テレビから生命力を引き出して芸術として享受できるようにしたナム・ジュン・パイクの作品と似ている」と語った。

 シン・ヒョンチョル朝鮮大学文芸創作科教授は、BTSをラッパーのエミネムと比較し、大衆に及ぼす社会的影響を分析した。シン・ヒョンチョル教授は「エミネムの代表曲『Lose Yourself』が悲観的な状況を乗り越える歌詞で人気を集めたとすれば、BTSの『Love Yourself』は歌詞で大衆を慰める。BTSは『勝て』とあおらず、『負けてもいいよ』と歌いながらファンを慰めている」と言った。

 BTSが西欧でも大きな人気を集めている理由についても分析が出ている。コレット・バルマン英キングストン大学メディア放送学教授は「西洋では男女の性の役割を二分法的に徹底して分けるが、BTSのメンバーたちはそうした古典的な概念から脱した」と分析した。バルマン教授はBTSのメンバーたちが抱き合って涙を流す写真を紹介し、「西欧の若者たちは『男性も感情表現をすることができる』という脫性化したBTSの姿に注目した」と語った。

 イ・ジヨン世宗大学招聘教授は、BTSの人気の理由を哲学者ジル・ドゥルーズの「リゾーム」(Rhizome=地下茎から転じて水平的な関係)という概念で説明した。イ・ジヨン教授は「アーミーはBTSを求心点に集まったが、かつての『スター』という概念よりも『ひょっとしたらすれ違って会うことができるような』『何かを一緒に成し遂げられるような』存在だと思っている。このため、BTSのメッセージは垂直的な世界(上下関係の世界)を変えようとする水平的な試みとして受け入れられる」と分析した。イ・ジヘン中央大学講師は「1000万人以上と推定されているアーミーは10代の少女だけでなく40代以上の中年も多い。アーミーたちは従来のメディア方式に対抗し、自分たちだけのストーリーを作り出している」と評価した。

キム・スギョン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース