【edaily】「私は当然のように韓国で何不自由なく生きているが、考えてみると、韓国人が国を奪われていたのは(今から)100年もたっていないころのこと」
今韓国人が享受している日常の幸せが、名前も知らない多くの独立運動家や独立軍の犠牲で得た幸せであることを喚起させようと、リュ・ジュンヨルが語った言葉だ。リュ・ジュンヨルは最近、映画『鳳梧洞の戦闘』(ウォン・シンヨン監督)のため対面した席で、同作の撮影前と後で気持ちは完全に違うと主張した。
「私のバケットリストの一つが戦争映画だった。恥ずかしい話だが、最初は『鳳梧洞の戦闘』を戦争映画として扱っていたが、撮影する中で鳳梧洞の戦いの意味や、歴史に記録されていない、名前も知らない多くの独立軍の犠牲について考えるきっかけになった」
8月7日公開の『鳳梧洞の戦闘』は、独立軍の連合部隊が日本軍を相手に初めて大きな勝利を得た1920年6月の「鳳梧洞の戦い」を映画化した作品だ。リュ・ジュンヨルは劇中、独立軍の分隊長イ・ジャンハを演じた。イ・ジャンハは実在の人物ではない。ユ・ヘジンが演じたファン・へチョル、チョ・ウジンが演じたマ・ビョングも同じだ。これらの人物は、当時独立のために命をかけて戦ったものの歴史に名前を刻まれることのなかった、多くの独立軍の烈士を代弁している。
「いざ撮影を控えると、心配になった。鳳梧洞の戦いについて知っていることは、学生時代に教科書で学んだことが全てだった。イ・ジャンハの気持ちを十分に理解できるかどうか不安だった。監督さんに、国を奪われた心情を、比べるものではないが、母を奪われた心情として解釈しても大丈夫かと尋ねたら、大丈夫だろうとおっしゃったので、敢えてそういう風に想像してキャラクターを発展させていった」
『鳳梧洞の戦闘』は、真夏の昨年8月にクランクインし、真冬の今年1月にクランクアップした。撮影は、鳳梧洞と地形が似ている険しい山地で行われた。「洞窟や幕舎、戦闘シーンを撮影していてふと抱いた思いが、単なるセットなのに、みすぼらしくて見映えがせず、胸が痛んだ。私たちは撮影が終わると宿舎に戻って休んだが、当時の独立軍は悪条件の中で寝食もままならなかっただろうと思うと、こみ上げてくるものがあった」
『鳳梧洞の戦闘』は、日本による経済報復とそれに伴う反日感情の広がりで、公開前から熱い関心を集めている。リュ・ジュンヨルに、時局ゆえに映画へ注がれる関心は負担ではないかと尋ねた。
「私たちの映画は結果よりも過程についての物語で、その過程に存在していた、名前も知らない方々の犠牲を語る作品。時局に対する負担より、『鳳梧洞の戦い』がそうした方々を記憶する上で一助になればうれしい」
パク・ミエ記者