氷にかぶりつきたくなるような暑さがやって来た。7月1日のソウルの日中の気温は28度、南部の一部地域では30度まで上がった。湿度も高く、蒸し暑い。夏を乗り切るには氷が必要だ。そのため、毎年氷の消費量が急増している。大手コンビニチェーンのセブン‐イレブンによると、2017年に6000万個売れたカップ入り氷は翌2018年、9000万個販売されたという。一言で氷と言ってもさまざまなものがある。フードスタイリストのキム・ボソンさんは「数年前から花やフルーツ、さまざまなハーブを入れてより透明に、よりカチカチの氷を作るのが流行している」と語った。氷一つでもおしゃれにおいしく消費する時代になったというわけだ。
◆目がくらむほど透明に…氷の技術
キム・ボソンさんがオススメする、最も簡単できれいな氷は「花氷」だ。家にある製氷皿にバラやパンジー、カーネーションなど食用花を入れ、水を注いで半日以上凍らせれば終わり。ソーダや炭酸水のようなドリンクに浮かべてもいいし、フルーツポンチに入れてもいい。ライムやレモン、ブルーベリー、クマイチゴ、チェリーなどをカットして入れたり、ローズマリーやアップルミントなどのハーブをちぎって入れても美しい。
「限界がない。何を入れても新しく、洗練されて見えるから」。花を手に入れるのが面倒だったり、冷蔵庫にフルーツがなかったら、グミを入れてもいい。よく見掛けるカラフルなクマ型グミを氷の中に一つずつ入れると、キュートでさわやかだ。マンゴーやオレンジ、ラズベリージュースを凍らせてコップに入れても見栄えがいい。数年前にはコーヒーを凍らせて牛乳を注いで食べるのが流行していた。氷の入ったアイスラテは氷が溶けるほど味が薄くなるが、コーヒー氷は溶けるほど味が濃くなる。ワインに氷を入れて飲むのも新たなトレンドだ。ワインの国のイ・チョルヒョン代表は「サングリアやアイスロゼ、ピノ・ノワールのようなワインに氷を入れると、時間がたつほど香りが華やかになり、味もソフトになる」と語った。
◆低い温度でゆっくり凍らせるべし
一度沸騰させたお湯を冷まして凍らせるとより透明になると言われる。氷業者「アイスファーム」のチョン・ジュンヤン代表は「熱湯を冷ます過程で再び酸素が入るため、水道水やミネラルウォーターを凍らせるのと大きな差はない」と話す。カギとなるのは凍らせるスピードだ。ゆっくり凍らせるほど、硬く透明になる。冷凍庫に入るくらいの小さなクーラーボックスがあるといい。クーラーボックスに水を注いだ製氷皿を入れ、その周りにも水を入れる。クーラーボックスのふたを開けたまま冷凍庫に1-2日入れておくと、クリスタルの世に透明な氷ができる。円形のアイスボールも最近人気だ。ウイスキー・カクテルバーなどで愛用されている。チョン代表は「氷は尖っているほど早く溶ける。ボール型の氷は角がなく、ゆっくり溶けるので、飲み物の味を損ないにくい」とアドバイスした。