北漢山のふもとにある広さ1万6000平方メートルの韓国式伝統庭園「城楽園」(ソウル市城北区)が4月23日から6月11日まで、市民に臨時開放される。200年以上ベールに包まれていたが、一時的に公開される城楽園は、ソウルに残る唯一の韓国式伝統庭園だ。
城楽園はもともと朝鮮王朝第25代国王・哲宗の時代、 吏曹判書を務めていた沈相応(シム・サンウン)の別荘で、朝鮮の皇族で唯一抗日闘争に積極的に乗り出した義親王が35年間にわたり離宮として使用してきた。
名前には「都城の外で自然の美しさを享受する庭園」という意味がある。岩盤や渓谷など、自然の地形を最大限生かし、人間の手をほとんど加えておらず、朝鮮王朝時代の庭園の真髄を見せてくれると評価されている。内苑にある自然池・ ヨンビョク池の岩には金正喜(キム・ジョンヒ)の文字が刻まれている。
現在、個人の所有である城楽園は、1992年に文化財に指定された後、さまざまな復元事業が行われている。ソウル市と文化財庁は城楽園総合整備計画を樹立しており、段階的に復元・整備事業を推進する方針だ。
なお、4月23日から始まった臨時開放は事前予約により参加可能。週3回(月・火・土)、一日7回、1回当たり20人ずつ実施され、韓国家具博物館で観覧申請を受け付けている。
ソウル市のチョン・ヨンジュン歴史文化財課長は「文化財庁とともに城楽園の復元と整備を推進し、所有者側と協議を行い、開放時期を増やしながら、より多くの人が訪問できる機会を持てるようにしたい」と語った。