日本では80年、生存厳しい韓国では30年で老舗の仲間入り

 韓国では創業30年以上になると老舗と言われる。日本では最低でも3代、創業80年以上、代々受け継がれてきた店が老舗だ。韓国では老舗が生き残るのが容易ではないということだ。

 数年前から老舗を残そうという声が高まり、複数の事業が進められている。2013年からソウル市が指定してきた「ソウル未来遺産」には、保存価値がある老舗の名店およそ50カ所が含まれている。清進屋、又来屋、麻浦屋、文化屋をはじめ、3代以上味を引き継いできた有名店も多いが、コムタンやソルロンタン、冷麺などではなく、特別なメニューで勝負をかけてきた老舗も少なくない。

日本では80年、生存厳しい韓国では30年で老舗の仲間入り

 西大門区延禧洞のドイツパン店はこれまで67年間、4代にわたって家業を受け継いできた。1952年にチェーン店としてスタートし、1998年から個人経営店に転換。延禧洞内で3度移転したが、昔の姿そのまま営業中だ。アンパン、ソボロパン、ツイストドーナツなどが思い出を呼び起こす。シナモンパイなど、若者たちが好むパンもあり、老若男女問わず人気だ。

 西大門区ミグン洞の西大門元祖樽酒家は、1961年に「樽酒家」という称号でオープンし、現在まで同じ場所で2代続く焼き肉店。代表メニューは味付け豚カルビ。カルビのたれは現店主のパク・ナムテさん(59)の母親コ・スドクさん(83)が今でも真心こめて作り、昔の味を守っている。

 特別な味というより、思い出の味で長続きする店もある。3代続くトッポッキ(餅の唐辛子みそ炒め)は中区新堂洞の「新堂洞トッポッキタウン」に行けば味わえる。ある唐辛子みそのCMに登場し、スターダムにのし上がったマ・ボクリムさんの「マ・ボクリム・トッポッキ」が有名だが、近くの「三代ハルモンネ」も代々続くトッポッキで常連客が多い。1972年に創業者チョン・チャンヨンさんが始め、親せきの2代目チョン・ムンファさん(90)にバトンタッチした。現在はチョン・ムンファさんが昼間店を守り、娘のペク・スンスクさんが夜の営業を受け持っている。およそ40年間、大衆の好みの変化に合わせ、さまざまなトッピングやメニューが追加された。何と言っても新堂洞トッポッキとスープモミジ(鶏足)がベストセラーだ。新堂洞トッポッキは刺激的ではないたれ、やわらかい餅の食感が魅力だ。

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