飛雁島(全羅北道群山市)の住民およそ400人はこれまで17年間、小さな漁船で移動していた。この島を行き来していた旅客船の会社が2002年、収益性が低下したことを理由に運航を中断したからだ。そのときから島民たちは、漁船で島と4.5キロメートル離れた可力港を行き来せざるを得なくなった。昼間は波に揺れる小さな船に小学生も乗船。違法渡し船を取り締まらなければならない警察官も、この船を使って勤務交代を行った。2007年、2013年には船が沈没し、それぞれ島民1人が命を落とす事故が発生した。島民たちはセマングム防潮堤(33キロメートル)が完成した2010年以降、飛雁島と可力港を行き来する渡し船の運航を求めてきたが、実現しなかった。
しかし、飛雁島の住民たちは今後、命を懸けて渡し船に乗らなくてもよくなる。群山市は飛雁島と可力港を結ぶ旅客船の運航を再開する、と1月10日に発表。群山市と全羅北道は旅客船の運航のため予算5億ウォン(約5000万円)を投入。旅客船は10トン規模で建造され、飛雁島を主な停泊地とし、可力港を寄港地とする方針だ。運航は早ければ今年7月ごろ開始される。群山市の関係者は「一日も早く島民たちが安全に島と陸地を行き来できるよう準備したい」と語った。