12月になるやいなや、うそのようにクリスマスが一斉に街に登場し始める。ソウル市内の南大門市場の真ん中にあるクリスマスグッズ売り場。耳慣れたクリスマスキャロルが一日中流れている。冷たい風を受けながら足早に通り過ぎていた市民たちも、ここでは少しの間足を止める。温かい明かりがきらめくクリスマスグッズ。風車がある小さなガラスドームの中で舞い散る雪。みんな幸せそうな笑顔を浮かべながら、童話のような風景に目が釘付けだ。
年末になると、ソウル市庁前には大きなツリーが設置され、繁華街・明洞の通りでは救世軍による「社会鍋」歳末助け合い街頭募金が繰り広げられる。街路樹に巻きつけられた電球が美しい夜景を生み出し、カフェや各店舗からキャロルが流れてくる。毎年繰り返されることだが、一方でとても待ち遠しい瞬間。年末になると、感謝している人にプレゼントを渡したくなるし、大切な人に「愛してる」と言いたくなる理由は何だろうか。風は冷たく、1年が終わりを告げる名残惜しさから、切ない気持ちになり得る12月。クリスマスのおかげで心が温かくなるのかもしれない。