単一品種の花の祭典としては韓国最大規模の「馬山カゴパ菊祭り」が、今年も違わず秋を告げる。昌原市は、10月25日夜の開幕式を皮切りに11月9日まで、馬山合浦区カゴパ水産市場長魚通り前や倉洞・午東洞などで「第18回馬山カゴパ菊祭り」を開催する。秋の盛りを迎えたカゴパ菊祭りの会場に出かけてみよう。
「秋、キクに染まる」というスローガンにふさわしく、メーン会場となる馬山魚市場長魚通り一帯の堤防は文字通り「キクの天地」だ。このために用意されたキクだけでも実に11万本。作品はおよそ9500点に達する。
これは全て、昌原市が一年間苦心して育ててきたものだ。同市は昔から、韓国キク産業の「メッカ」と呼ばれている。昌原市は1961年に韓国国内で初めてキクを商業栽培した場所で、現在の韓国におけるキクの栽培面積の13%を占め、韓国で最も多くのキクを生産する、「キクのふるさと」といえる地だ。
昌原のキク産業の威容は、祭りのスタート地点から感じられる。正門から入場すると、7.5メートルに達する巨大な「キクの半鐘」が観光客を歓迎する。今年のキク祭りのランドマークだ。これは、かつて馬山の住民らが火災など危急を知らせる際に鳴らした半鐘を形象化したもの。昌原市は、1960年の不正選挙に抗議して起きた「3・15馬山義挙」の民主精神を継承し、来年の馬山開港120周年を記念しようと、この作品をつくり上げた。
さらに、会場中央にそびえる「千香旅心」は、菊祭りの白眉に挙げられる。一つの株に多くの花を咲かせる「多輪大作」は2009年、一株に1315輪のキクを咲かせてギネスに載った。その後も毎年記録を更新し、祭りの象徴に位置付けられた。
今年も、千香旅心は1520輪のキクの花を披露して感嘆を誘った。千香旅心が位置する高さ4メートルの展望台に上れば、実に大きな千香旅心と、黄色いキクの花で一杯の会場、そして馬山の青い海が調和した素晴らしい景観が広がる。
祭典の期間中、昌原市はさまざまな参加型プログラムを展開する。スマートフォンを活用してミッションを遂行して回る「Smart-enteering」(スマートフォンとオリエンテーリングの合成語)は、韓国キク売買の発祥地・エンジバッコルからスタートして、馬山博物館、昌原芸術村などを歩いて回るコースを準備し、家族みんながゆっくり歩いて楽しむのにぴったりだ。
また会場では、2年後に手紙を届けてもらう「本当に遅い郵便ポスト 2年後愛」、キクの水槽の中でのうなぎ捕り体験、大型スクリーンに日常の中の物語を収める「心心告白ビデオレター」などにも参加できる。
今回の祭典は11月9日まで開催される。とりわけ11月2日午後8時から馬山カゴパ水産市場長魚通り前の防波堤で開かれる海上マルチメディア花火ショーは、祭りの雰囲気を最高潮に盛り上げると期待されている。
今年の「慶南道優秀祝祭」にも選定されている馬山カゴパ菊祭り。昨年は150万人が訪れ、388億ウォン(現在のレートで約38億円)の地域経済波及効果が生まれたと評されている。