「韓国人はご飯のパワーで生きている」という言葉がある。韓国人にとってご飯がどれほど重要なのか、端的に表したものだ。ご飯は韓国料理の基本だ。白米、麦飯、豆ご飯、雑穀米など、さまざまなご飯が韓国人にとって主なエネルギー源として毎日消費されている。
しかし、韓国人のコメ消費量は42年でおよそ半分に減った。統計庁によると、1975年には韓国人の1人当たり年間コメ消費量は123.6キログラムだったが、2017年にはわずか61.8キログラムだった。主食であるご飯以外の食べ物が豊富になり、炭水化物は肥満の原因になるとされ、ご飯の量を減らす傾向にあるからだ。
コメ消費量が減少しているのに伴い、ご飯茶碗の容量も次第に少なくなっている。2012年にアジア経済が杏南磁器や韓国陶磁器など食器メーカーを対象に調査した結果、1940-50年代には530-550ccだったご飯茶碗の平均容量が、2012年には270ccまで減った。70年間で3分の1ほどになったというわけだ。
食べるご飯の量を減らす傾向にあるのにともない、家庭用のご飯茶碗が小さくなっているだけでなく、飲食店で提供しているご飯の量も少なくなっている。実際にご飯を入れるステンレス製容器は、1981年には保健社会部(省に相当、現・保健福祉部)が勧める規格である内面直径10.5センチメートル、高さ6センチメートルのものを使用していたが、2012年からはこれより小さい内面直径9.5センチメートル、高さ5.5センチメートルの器を使用している飲食店が増えているという。
京畿道は焼き肉店などから出る生ごみを減らす目的で、2012年から一般的なご飯用容器の平均容量205グラムに比べ45グラム少ない、160グラムの容器を制作し、普及している。