「近所のおじさんみたい」 ファンと日常を共有するスターたち

ソーシャルメディアを通じて一般人と気軽に交流

▲厚岩洞の自宅にファンを招き、格式張らずに会話を楽しんでいるタレントのノ・ホンチョル。彼について、人々は「近所のおじさんみたい」と話している。/写真提供=イ・ジニョンさん
▲ ▲厚岩洞の自宅にファンを招き、格式張らずに会話を楽しんでいるタレントのノ・ホンチョル。彼について、人々は「近所のおじさんみたい」と話している。/写真提供=イ・ジニョンさん

 ソウル市竜山区の厚岩市場近く。古い住宅が密集している路地を上っていくと、漢江大路102キル57番地という表示のある、古びた2階建ての家にたどり着く。黒い門の前には「ベルを押してください。靴は、お入りになってから庭に置いても構いません」という手書きの案内文が張ってある。6月1日午後、この家のベルを押すと、カウボーイハットにカーゴパンツ、膝まである黄色いソックスをはいたタレントのノ・ホンチョル(39)が出迎えに現れた。「わはは! いらっしゃい。うれしいです。気楽にどうぞ。ひょいっと!」

 6月1日は、ノ・ホンチョルが「自宅を一般人に公開する」とソーシャルメディアで公知した日。当人の案内で家に入ると、1階の書斎の床に10人くらいの人が座って本を読んでいた。リビングの真ん中にある8人掛けの食卓では、ノ・ホンチョルの手作りおやつを食べながら会話をした。キム・ソンヨンさん(31)が「近所の本屋ツアーをしている」と言うと、ノ・ホンチョルは自分が知っている近所の本屋を3軒紹介した。

 芸能人がファンの日常に入り込んでいる。テレビの中で目にするだけでなく、近所の友だちのように、町内の住民のように、近い存在になっている。ノ・ホンチョルは「芸能人だからといって、特に珍しいものがあるだろうか。さまざまな分野の人と会って話を聞くのが面白い」と言って笑った。5月9日にこの集まりに参加したイ・ジニョンさん(26)は「子どものころに書いた日記帳を見せてくれて、すごく驚いた。近所のおじさんみたいな印象」と語った。

 歌手10CM(本名:クォン・ジョンヨル、35)も、5月にソウル市永登浦区汝矣島洞の漢江公園でファンと共に過ごすフェスティバルを開催。「カップルにのろいをかけるため」開いた無料コンサートで、ドレスコードは「オールブラック」。この日、10CMは「このフェスティバルの最大の目的は、一年のうち一日だけでも汝矣島の春をぶち壊すこと」と話し、笑いを誘った。大学生のチョン・スギョンさん(21)は「芸能人とファンがみんな黒い服を着て集まり、ひとしきり遊んだお祭りだった」と語った。

 「大勢の人と素敵な音楽や食事を共有し、思い出を作りたい」。作曲家のドン・スパイク(本名:キム・ミンス、41)は、6月23日にファン参加の焼き肉パーティーを開く。昨年ステーキを両手でつかんでかぶりつく姿で有名になったドン・スパイクは、今年初めには自分のバースでパーティーに10人ほどのファンを招待し、肉を焼くイベントを開催。「当時、およそ2000人が申請し、その後もドン・スパイク印のステーキを食べたいという問い合わせが相次いだため、もう一度企画することにした」というのが事務所側の説明。文化評論家のハ・ジェグンは「オフラインでも普通の隣人のように日常を共有する流れはこれからも続くだろう」と語った。

イ・ヘイン記者
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