「男はスペック、女は見た目」の合コン番組に批判殺到

一般人の男女が出演してパートナーを探すテレビ番組

「男性依存的女性像を作っている」として物議

▲『ロマンスパッケージ』(SBS)のパイロット版放送で、元「ミス春香・真」と自己紹介する女性出演者(上の写真)。男性出演者が「楊平に200坪の土地を持っている」「ソウル大法学部卒の弁護士」「歯科医師」など経済力を強調していることと対比された。/写真提供=SBS
▲ ▲『ロマンスパッケージ』(SBS)のパイロット版放送で、元「ミス春香・真」と自己紹介する女性出演者(上の写真)。男性出演者が「楊平に200坪の土地を持っている」「ソウル大法学部卒の弁護士」「歯科医師」など経済力を強調していることと対比された。/写真提供=SBS

 「ソウル大学法学部卒の弁護士」「歯科医」「年間売上80億ウォン(約8億円)台の実業家」「楊平に200坪(約660平方メートル)の土地を所有するエンジニア」が男性側の職業。一方、「元『ミス春香・真(グランプリ)』のコンパニオン」「元『ミス・コリア・ソウル善(準グランプリ)』のアナウンサー」、そして「モデル」が女性側の職業。これは、パイロット版として始まり、4月から正規の番組編成を控えている『ロマンスパッケージ』(SBS)の自己紹介タイムでの一幕だ。一般人の出演者が四日間にわたってホテルに滞在し、パートナーを探すという番組で、男性は学歴・職業・経済力を見せつけ、女性はルックスを強調。番組が放送された後、ツイッターなどソーシャルメディア上では「地上波放送は『男は能力、女性は見た目』という従来の社会の偏見を踏襲している」「性差別的な放送」という批判があふれ返った。

 4年前、出演者が自殺したことで合コン番組『チャク(パートナー)』(SBS)が打ち切りになった後、しばらく鳴りをひえおめていた恋愛バラエティー番組が再び復活しようとしている。地上波、ケーブルテレビ、総合編成チャンネルで軒並みこの種の番組が登場。問題は、これらの番組が男性側は経済力、女性側は美しいルックスを前面に出しているという点だ。総合編成チャンネルの恋愛バラエティー『ハートシグナル2』(チャンネルA)も同様。出演男性の職業は韓医師、実業家、5級公務員(課長補佐クラス)、シェフなど専門的な一方、女性はショッピングモールのコンパニオンを務める大学生、女優志望、会社員などで、「男女の職業群の格差があまりにひどいのではないか」と指摘された。

 さらに、単なる職業の差にとどまらず、「男性依存的」な女性のイメージを作り出している。『ハートシグナル2』に出演する女性たちは自動車を持っておらず、男性に「地下鉄の駅まで送ってほしい」と頼む場面が登場、批判の目が向けられた。『ロマンスパッケージ』では、男性出演者の車をずらりと並べ、女性出演者が車種だけで自分のパートナーを選ぶということもあった。男性の財力に期待する女性のイメージを作り上げている、という批判が出る理由はこういう点にある。制作陣は「放送当時、不適切だという指摘が多く、今後こういう形の設定はしない方針だ」とた上で、男女の職業のバランスが取れていないという指摘に対しては「さまざまな職業群の出演者を登場させ、改善していく」と説明した。

 4月1日に始まった『ソンダバン』(tvN)の演出担当者は、こうした批判を意識したかのように、制作発表会で「タレント志望者や広報目的の出演者を徹底して排除し、平凡な出演者で構成する計画」とコメントしたが、初回放送から年間売上200億ウォン(約20億円)台の事業を手掛ける男性が出演し、後味の悪さを残した。韓国両性平等教育振興院のチョン・ギルヤン教授は「かつての韓国社会における性の固定観念や思考の枠組みを、反省することなくそのまま用いる番組は、青少年に誤った異性観を植え付けかねない。恋愛番組だとしても、出演者の見た目やスペックを商品化するのではなく、人の内面、話しぶり、態度など人間的魅力に光を当てる方向に行くべき」と語った。

イ・ヘイン記者
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