視聴率:MBCドラマ、「財閥」「余命宣告」「不倫」飽きられ低迷

視聴率:MBCドラマ、「財閥」「余命宣告」「不倫」飽きられ低迷

 MBCの月火ドラマ『偉大な誘惑者』=写真=が23日の第25話で視聴率1.6%を記録、同局のドラマで過去最低視聴率となった。地上波3局のドラマでは、昨年9月に放送されたKBS第2のドラマ『マンホール~不思議な国のピル~』(1.4%)に次いで2番目に低い数字だ。MBCの水木ドラマ『手をぎゅっと握って、沈む夕日を眺めよう』も3-4%台で、同時間帯のドラマで最低だ。「かつて『ドラマ王国』と呼ばれたMBCが没落した」という声も聞こえてきている。

 財閥グループ創業者一族の子どもたちのラブストーリー『偉大な誘惑者』は、第1話放送時から、後継ぎの高校生が友達の母親とキスをするシーンが物議を醸した。そして、イライラするストーリー展開により4月第2週から3週連続で1.6%を記録した。『手をぎゅっと握って、沈む夕日を眺めよう』も数字が思わしくない。25日にスタートしたKBS第2の水木ドラマ『スーツ』は7.4%、SBS『スイッチ-世の中を変えろ』は5-6%台を出している。

 MBCドラマの不振は昨年後半から続いている。『20世紀少年少女』は1.8%という「屈辱的な数字」を出し、今年初めに放送されたユ・スンホ主演『ロボットじゃない~君に夢中!~』も3%台にとどまった。大衆文化評論家のチョン・ソクヒ氏は「財閥一族・余命宣告・不倫というモチーフに視聴者たちはもううんざりしている上、主人公のキャラクターが目新しいとか魅力的だとかいうわけでもない。多彩なモチーフや斬新な仕掛けで好調の総合編成チャンネルやケーブルテレビチャンネルのドラマとは対照的だ」と話す。

 ドラマ制作会社や脚本家たちもMBCを懸念している。中堅ドラマ脚本家は「視聴率が振るわないし、時事番組プロデューサー出身の崔承浩(チェ・スンホ)新社長はドラマに関心がないといううわさが広がっており、脚本家たちはMBCを避けたがっている雰囲気がある」と言った。事実、崔承浩社長は就任時にドラマの数を減らすと発表、「外注制作してきたドラマを独自企画に回したい」と宣言していた。

 内部からも批判の声が出ている。MBC第3労働組合の公正放送監視センターは26日、「手をぎゅっと握って、沈む『MBC』を眺めるつもりなのか?」というドラマタイトルをもじった報告書で、「ストライキ後、従来のラインナップまで中止して内部整備作業を行った後、放送されたドラマは、どれもひどいどころか悲劇的なレベルにまで達している。ドラマでコンテンツ崩壊が起こっている」と批判した。安東大学のキム・ゴンスク教授は「演出力に優れていると定評のあるプロデューサーたちが辞めた上、使い古されたモチーフという悪材料が重なった結果だ」と分析している。

イ・ヘイン記者
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