韓国東部の美しい海、奇岩怪石からなる秘境を鑑賞できる道が65年ぶりに開かれた。
江原道束草市は、6・25戦争(朝鮮戦争)以降統制されてきた大浦洞のウェオンチ海岸を一般に開放する、と4月12日発表。道は最近、海岸を囲む散策路「海の香り路」の開通式を開催した。
「海の香り路」は、束草海水浴場からウェオンチ港を結ぶ1.74キロメートルの区間に設けられた。この道に沿って歩いていくと、東海(日本海)が散策路のすぐ目の前に広がる。自然がつくり出したさまざまな岩に当たる波の音を聞きながら、うっそうと茂る松林から漂う松の香りを楽しむことができる。
ウェオンチは6・25戦戦争後、事実上民間人の出入りが統制されるようになった。1970年6月にはゴムボートを利用した武装共産軍浸透事件により、ウェオンチ海岸に鉄条網まで設置され、一般人の出入りが完全に遮断された。束草市は2016年から、美しい自然環境資源を活用したトレッキングコースを整備するため、散策路の造成に乗り出した。国費および道・市費9億7800万ウォン(約9800万円)、民間投資(ホテル・ロッテ)15億8200万ウォン(約1億5800万円)など計25億6000万ウォン(約2億5600万円)の予算が投じられた。特に市は、65年ぶりにウェオンチを一般人に開放するため、国防部(省に相当)と1年以上にわたり協議してきた。新たに開放される道には、ベンチなどの便宜施設や野外ステージができる。観光客たちは海の道を歩きながら文化公演も楽しむことができる。国防部が使っていた格納庫や哨所は展望台として活用される。武装共産軍や潜水艇浸透事件について紹介する安保空間も設けられ、分断の悲劇と統一に対する意識を鼓舞するものとみられる。
イ・ビョンソン束草市長は「ウェオンチ海の香り路は無料で開放される。傾斜が緩やかなため、老若男女誰でも負担なく利用できる。海の香り路と結びつけたさまざまな観光商品の開発を通じ、ウェオンチ海の香り路を束草の観光名所にしたい」と語った。