ソウル市鍾路区の北村一帯に、市民たちが誰でも自由に利用することができる、一風変わった韓屋(韓国の伝統家屋)がある。古本販売や人文学講座などさまざまなプログラムが開催される「北村書店」から、伝統的な紅花染めにより再現した復元作品を鑑賞し、天然の染料を使った染色を体験することができる「伝統紅染工房」まで…。異色の韓屋5カ所を紹介しよう。
【ソウルの異色韓屋】
◆北村書店
北村書店は、工房として使われていた公共韓屋を住民のための便宜施設に転換し、昨年12月から運営中。古本販売、読書同好会活動、人文学講座、朗読体験など、本を媒介としたさまざまな文化活動プログラムが実施されている。鍾路区民や在学生は、図書や有料プログラムの参加費用について20%割引サービスを受けられる。
◆北村韓屋庁
鍾路区嘉会洞にある北村韓屋庁は、韓屋および韓屋エリアの歴史文化的価値に関する展示・教育・フォーラム・地域イベントなどを目的とした貸館施設だ。今年3月から7月までに利用を希望するプログラムがあれば、2月20日までにホームページで申請すればよい。
◆韓屋文化院
韓屋文化院は、それまでゲストハウスとして運営されていた韓屋を図書館、展示室など韓屋教育および研究施設に転換し、運営している。韓屋に関する資料を閲覧することができる「韓屋資料図書館」、実存する韓屋の構造を5分の1に縮小し再現した「韓屋模型展示室」などがある。韓屋文化院は、韓屋専門家の養成、韓屋の関する専門書籍の発行、韓屋研究といった既存の事業はもちろん、一般人を対象とした韓屋体験およびセミナーなど、韓屋文化交流の場として事業範囲を拡大していく方針だ。
◆伝統紅染工房
伝統紅染工房は、ソウル市の無形文化財第49号紅染匠キム・ギョンヨルさんの工房だ。工房では伝統紅染方式により再現したさまざまな復元作品を鑑賞することができるほか、事前に予約すれば天然染色も体験することができる。伝統紅染はベニバナを利用したもので、朝鮮王朝時代には紅色を奨励し、尚衣院や済用監にそれぞれ10人の紅染匠がいた。王の大紅色を帯びた赤い紅竜袍をはじめ、宮中の服飾および生活用品に至るまで、広く使われていた。工房を訪れると、紅染の各作業過程に関する説明を聞くことができ、事前予約後に訪問すると、天然の染料を使ってさまざまな色の染色体験ができる。
◆織物遊び工房
織物遊び工房は繊維工芸家イ・ミョンエさんの工房で、次第に消えつつある伝統製織方式を基にしたさまざまな繊維工芸を披露。機織りのデモンストレーション、繊維工芸体験プログラムだけでなく、地域の高齢者のための無料手編み講座も実施している。地域住民や学生を対象とした体験プログラムの参加費用は20-30%割引となる。織物遊び工房は伝統的な手織機の展示および機織りのデモンストレーションを通じ、伝統織物に対する一般人の理解を深め、伝統的な方法だけでなく、現代的に再解釈したさまざまな繊維工芸作品を紹介する。織物を活用した簡単な繊維工芸体験プログラム、専門教育講座も実施中だ。