なかなか花を目にすることがない冬には花茶が人気だ。コーヒーばかり飲んでいた20代が夢中になっており、目を引く。体にいいのはもちろん、見た目が美しいからだ。珍しいものがあると何でも撮影してソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にアップする世代にとって、ピッタリの素材だ。写真共有SNS「インスタグラム」には、お湯の中で色とりどりの花が咲き乱れる写真がたくさん掲載されている。
萼や花蕊がついたままの花を乾燥させ、お湯を注いで飲む。アカシア、キキョウ、ユキヤナギ、モクレンなど種類はさまざまだ。乾燥させて炒るときに機械を使うと花の形が崩れる場合があるので、ほとんど手作業で行われる。価格は1万-3万ウォン(約1000-3000円)ほど。会社員のシン・ジエさん(29)は「花の種類によって味はもちろん、色や形も違うのが花茶の魅力」と語った。
緑茶や紅茶とは異なり、花茶はお湯に入れると花がよみがえり、目を引く。ワイングラスに花茶を入れて一風変わった雰囲気を味わうこともできる。美しい花が咲く過程を収めた動画も人気だ。
体にもいい。「東医宝監」の湯液編には「ムクゲをお茶にして飲むと、風(風邪)を治め、花粉を入れて飲むとげりが収まる」と記録されている。実際にモクレンは風邪や鼻炎に、ヨモギの花は肌の老化防止、菊はストレス解消に効果があるという。花茶メーカー「コッチュルタムタ(花を入れるの意)」のイ・インピョ代表は「花茶はノンカフェインのため、ウェルビーイング族がコーヒーの代わりに買い求めるケースが多い」と話している。
熱湯で素早く入れるのがコツだ。「澄んだ心のわが花茶」の著者であるソン・ヒジャさんは「100度の熱湯を使って1分以内に入れると花がきれいに咲く」と語った。