インタビュー:イ・ジュン、『お父さんが変』での演技を振り返る

元歌手の俳優役で人気
「10月に入隊を控えて最後の作品、空白期間に負担はない」

インタビュー:イ・ジュン、『お父さんが変』での演技を振り返る

 「反省ばかりしているうちにドラマが終わってしまった」

 最終回の視聴率33.7%(ニールセン・コリア調べ)で有終の美を飾った人気ドラマ『お父さんが変』(KBS第2)の主人公は、意外にも暗い表情だった。最終回を迎えた感想の大部分は「残念」「反省」「足りない」といった単語で埋まっていた。俳優イ・ジュン(29)=本名イ・チャンソン=は『お父さんが変』で、米国で育ち、韓国でデビューした元アイドルの俳優アン・ジュンヒ役を務めた。陰のあるトップスターで、子どものころから「実父は自分を捨てた」という誤解のため大きな傷を抱えて生きてきたキャラクター。8月28日にソウル市内で会ったイ・ジュンは「高い関心にふさわしい演技をお見せしようと努力したが、モニタリングするたびに足りない部分ばかりが目につき、いつも気が重かった」と語った。

 男性アイドルグループMBLAQのメンバーだったイ・ジュンは「役のオファーがあったとき『元歌手の俳優』という設定がぴったりで、キャラクター研究なしで役に溶け込めると思った」という。しかし「父親がいない」ことから来る感情を理解することは、撮影期間を通じて常に「克服すべき課題」として存在した。アン・ジュンヒは劇中、ミニシリーズの主役に起用されたものの「父子の感性」を理解できず、演技力をめぐる論争に巻き込まれてしまう。「戸籍上の父親ピョン・ハンス(キム・ヨンチョル)とアン・ジュンヒが会うシーンは全部難しかった。数十年ぶりに父親と再会したとき、アン・ジュンヒが感じたであろう哀惜や喜び、恨めしさといった複雑な感情をきちんと盛り込めなかったようで、とても残念だった」

 イ・ジュンは演技を学んだことがない。ソウル芸術高校を卒業し、2007年に韓国芸術総合学校現代舞踊科に入学した元ダンサーだ。ところが二十歳のとき、イ・ジュンは演技がやりたくなり、開講わずか1カ月半で退学届を提出してしまう。「僕を支えるため苦労した母に申し訳なくて、アルバイトをしながらオーディションを受け続けた」というイ・ジュンは同年冬、映画『ニンジャ・アサシン』でRain(ピ)の子ども時代の役にキャスティングされ、俳優デビューを果たした。14年のドラマ『カプトンイ 真実を追う者たち』(tvN)ではサイコパスのリュ・テオ、15年の『風の便りに聞きましたけど!?』では上流階級の両親から徹底して教育された秀才ハン・インサンを演じ、株を上げた。映画やドラマなど27本に出演し、手堅い演技で好評を集め、「最も成功したアイドル出身俳優」に挙げられる。

 『お父さんが変』で無念さが残るのは、イ・ジュンが演技活動から一時離れることになるからだ。イ・ジュンは10月24日、京畿道抱川の韓国陸軍第8師団オットゥギ部隊に現役入隊する。しかし「空白期間中、人々に忘れられるという怖さはない」という。「除隊後、皆さんが僕を求めてくれなかったら、それもまた僕の運命。生きる道はそのときまた探せばいい。誠実に軍服務を終えたい」。乾いた唇を舌で湿らせながら、イ・ジュンは笑った。

パク・サンヒョン記者
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