乗客4人だけ!? 苦戦するソウルシティツアーバス

 ソウルシティツアーバスは都心をめぐる観光バスだ。韓国を訪れた外国人観光客らの便宜を図るため、ソウル市が2000年に導入した。現在、2社が平日・週末を合わせ6路線(バス21台)運行しているが、利用者の目線に立っていないとして、背を向けられている。

 業者は経営難を原因に挙げている。ソウル市は2011年まで、シティツアーバスを運営する会社に運送費や営業費など補助金を支給してきた。しかし2012年から、業者が車両の購入から人件費、燃料費など全てを負担することになった。そんな中、シティツアーバスの利用者は2014年の25万1000人から2016年には19万4000人に減少。今年も5月までで6万6000人だ。一日わずか437人にしかならない。バス1台が1回運行するに当たり、乗客は平均4、5人という計算だ。そのうち外国人は30%ほどにしかならない。

乗客4人だけ!? 苦戦するソウルシティツアーバス

 業者は運行費用を削減しようとガイドをなくした。一部バスの場合、外国語の案内放送すら一般の路線バスや地下鉄以下だ。バスの運転手が外国人に英語で名所を紹介するのには限界がある。

 7月27日、東大門からシティツアーバスに乗ったリリアンさん(63、マレーシア)は大統領府(青瓦台)を指差しながら「重要な建物のようだが、案内放送の説明ではよく理解できなかった」と語った。また、ダニエル・シューさん(21、シンガポール)も「真っ直ぐ目的地に連れていってくれること以外、長所はなさそうだ」と話した。各路線の乗り換えが不便だと指摘する観光客もいた。

 ソウルシティツアーバスの料金は、路線によって1万-1万5000ウォン(約1000-1500円)ほど。ある関係者は「毎年赤字だが、これまで15年間で運賃を値上げしたのはたった1度だけ、市が料金の決定権を握っているからだ」と語った。

 英国ロンドンの名物である2階建てバス(BIGBUS)は、インターネットで38.7ポンド(約5800円)のチケットを予約すれば、二日間にわたり、観光ガイドの説明だけでなく、12の言語からなる案内を聞くことができる。また、三つの路線を自由に乗り継ぎながら移動することが可能。フランス・パリのシティツアーバスも、37ユーロ(約4900円)支払えば、二日間にわたり、路線に関係なく自由に乗り継ぎながら、100カ所を超えるパリの名所をめぐることができる。オーディオガイドは10カ国語でサービスされている。

ソン・ホヨン記者
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