「子どもが幼稚園で父親自慢をするんですよ。今度、テレビに出て歌をうたうって。幼稚園の先生が『お父さんは演技をする人』というと『歌をうたう人』と教えてあげたりもしました」
俳優イ・チャン(41)は、息子の話をしながら満面の笑みを浮かべた。イ・チャンは6月22日、歌手デビューを前にソウル市竜山区のカフェ「K212」でインタビューに応じ、「『パパがテレビに出て歌をうたうところが見たい』という息子の声で、歌手に挑戦した。息子でなかったら、考えもしなかったチャレンジ」と語った。
イ・チャンは6月25日にセミトロット(韓国演歌)「僕はあなたが好き」と「ニ八の青春よ」の音源を公開し、歌手活動に乗り出す。俳優デビュー21年目にして新たな領域にチャレンジしたイ・チャン。その背景を尋ねる質問に答えていたイ・チャンは、いつの間にか、目元に笑いではなく涙をたたえていた。イ・チャンは、今にも泣きだしそうな様子で「息子の話に心が痛んだ。治療を受ける力になれるなら、父親としてできないことはないと思った」と語った。
今年6歳になるイ・チャンの長男は、昨年1月に急性リンパ球性白血病と診断され、現在闘病中だ。3年にわたって治療を受けなければならず、その後5年間再発しなければ、完治の判定を受ける。1年半でかなり好転しているとはいうが、まだ1カ月に一度は抗ガン剤の治療を受け、3カ月に一度は脊髄検査を受けなければならない。イ・チャンは「脊髄検査をやるときは、麻酔なしで脊髄に注射器を刺して脊髄を取る。目が血走るほど痛くても、それを耐えてくれる息子の頑張りが嬉しい」と語った。
イ・チャンは、長年親交がある歌手Eruを訪ねて「歌をうたいたい」と方法を尋ね、歌手テ・ジナ(Eruの父親)を紹介された。テ・ジナは「歌の稽古をしてから来なさい」と言い、イ・チャンは有名ボーカルトレーナーを訪ねて、およそ7カ月間トレーニングを受けた。テ・ジナのテストを受けて、ようやく新曲の作業に入った。タイトル曲「僕はあなたが好き」はEru作詞、テ・ジナ作曲。また「ニ八の青春よ」はテ・ジナ作詞、Eru作曲のナンバーだ。
イ・チャンは6月24日の淸州放送『ショー! ミュージックパワー』を皮切りに、本格的な歌手活動に入る。