子どものいる家庭なら、週末になるとあれこれ悩むはずだ。どこかに出掛けようと思っても、渋滞が気になってしまう。親の目線に合う場所へ行こうとすると、子どもたちが退屈しそうで気が引け、子どもが好きな場所へ行こうとしても、にぎやかで幼稚なのが心配。
そんな中、子どもも大人も楽しめる場所はないか悩む人たちにピッタリのスポットができた。2017年4月にオープンした「現代モータースタジオ高陽」(京畿道高陽市)だ。現代自動車が「体験型自動車テーマパーク」を目指しつくった。「体験」「自動車」「テーマパーク」という三つの単語を聞いただけでも、男の子がいる家庭なら興味がわくはずだ。さらに、ドイツ・シュトゥットガルトのポルシェ博物館を手掛けたオーストリアの建築事務所DMAAが設計したということで、車に関心がなくても、子どもがいなくても、建築が好きな人なら心ひかれること間違いなし。
遠くから見ても、空に向かって飛んでいるような屋根が目に入ってくる。郊外ではあまり見かけない、幾何学的デザインの大型建築物(地上9階、地下5階、延べ面積6万3861平方メートル)。ザハ・ハディド氏が設計した東大門デザインプラザ(DDP)が空飛ぶ円盤のようだとしたら、ここは三角形状のステルス機が思い浮かぶ。中に入ると、広いロビーがある。順路に沿って、空間を遊泳するかのように館内を見て回る。
「ここは自動車博物館ではありません。体験館です」。現代自動車側も、建築家サイドも、繰り返し強調している。それには理由がある。ポルシェ博物館やBMW博物館(ドイツ・ミュンヘン)など、大手自動車メーカーが営む自動車関連施設は「歴史」「これまでの足跡」に重点を置いている博物館だ。しかしここは、「未来」に目を向けている。欧米の自動車会社に比べ相対的に歴史が浅い現代自動車の戦略的な選択だ。