海の香り漂う烏竹軒・船橋荘で過ごす一日 /江陵

 江原道江陵市は韓屋(韓国の伝統家屋)でヒーリングを楽しむのにピッタリの旅行先だ。冬の海と韓屋の温もりの対比も趣深い。歴史が感じられる古い屋敷は、荒い波と冷たい風で冷えた体と心を温かく包んでくれる。

 江陵で古民家の風情を感じたかったら、鏡浦へ向かおう。

 鏡浦海水浴場の近くには、申師任堂(シン・サイムダン)と息子の栗谷・李珥(イ・イ)の生家である烏竹軒(宝物165号)がある。申師任堂は詩や絵、刺繍に卓越した腕前を持った芸術家で、李珥は退渓・李滉(イ・ファン)と並んで、朝鮮朱子学における二大儒と称され、日本や中国の侵略に備え十万養兵を説いた。申師任堂、李珥の姿はわれわれにとってとても親しみがある。5万ウォン(約5000円)紙幣には申師任堂の肖像画と墨葡萄図が、5000ウォン(約500円)紙幣には李珥の肖像画と烏竹軒、烏竹(黒竹)が描かれている。

 2016年12月には、烏竹軒が見渡せる場所に江陵烏竹軒韓屋村がオープンした。一般タイプから高級タイプまで、およそ30の客室がある。これらは伝統的なオンドル(床暖房)部屋だ。烏竹軒や江陵烏竹軒韓屋村の近くにはさまざまな文化空間が集まっている。私立美術館などが烏竹軒の敷地内にあるほか、地域の工芸家たちが集まり、刺繍や木工などの体験プログラムを実施している江陵芸術創作人村もある。

海の香り漂う烏竹軒・船橋荘で過ごす一日 /江陵

 烏竹軒から鏡浦生態貯留池を過ぎると、歴史を感じさせる美しい屋敷、船橋荘(重要民俗文化財5号)が目に入ってくる。船橋荘を出ると、鏡浦湖や海にたどり着く。鏡浦湖を散策したり、関東八景の一つである鏡浦台、エジソンの発明品や蓄音機など4500点余りが展示されているチャムソリ蓄音機・エジソン科学博物館を見て回るのもいいだろう。

 また、江陵は最近、コーヒーが有名だ。安木海水浴場周辺には江陵コーヒー通りがあり、旺山面のコーヒー博物館ではコーヒーの木やコーヒー豆のほか、昔の抽出器具などを見ることができる。

 そのほか江陵に来たら、寒さを吹き飛ばしてくれる熱々のスンドゥブ(おぼろ豆腐)を味わいたい。市内各地で草堂スンドゥブの看板が目につくが、本当の味を楽しみたかったら草堂スンドゥブ村に行くべきだ。

 江陵の旅は、国道7号線に沿って注文津方面に向かい、クライマックスへ。ドラマ『寂しくて光り輝く神-鬼』(tvN)の撮影が行われた注文津は今、恋人たちのデートスポットとして人気がある。

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