女優ナム・サンミ(32)が変わった。以前会ったときより肩がしっかりしていて、笑いも豪快になった。今や、少女の面影はない。堂々としていて、強く見える。「ワイルド」に見えるようになりたいという望みがかなった。人気の内に放送を終えたKBS第2テレビのドラマ『キム課長』に出演したナム・サンミは、飾らない魅力で視聴者のハートをつかむ原動力となった。
ナム・サンミは4月12日、ソウル市瑞草区盤浦洞のスタジオでイーデイリーの取材に応じ、「女優としてデビューした後、『おとなしい』『女性らしい』というイメージを壊すため努力してきて、成果が上がっている」「決められた枠に自分を閉じ込めていたくはない。悪役を演じたいと口癖のように言っているのがその理由」と語った。さらに「『女性らしい』という荷を下ろしたので、一層演技しやすくなった。『キム課長』を通して、本当の姿を少しはお見せできただろうと思う」とも。
ナム・サンミは『キム課長』で、およそ2年ぶりにドラマ復帰を果たした。2014年に結婚してからは空白期が続いた。その間に一児の母になった。特定の作品のキャラクターではなく、「人間ナム・サンミ」として生きた。どのように暮らしてきたのか尋ねると、京畿道楊平で夫の両親の面倒を見つつ育児をする、田園生活を送ったという。ペットとして5匹の犬も飼っていているので、大家族だ。「演技がしたいという欲は、忙しい日常の中で自然と忘れていた」と笑った。
結婚は、ナム・サンミにとってプレゼントだ。未婚のころには見られなかったものが手に着いた。「以前は『うまくやらないと』というストレスがひどかったけれど、今は違います。負担を払いのけたので、何でもうまくやれるという勇気と自信が生まれました。『キム課長』に出演して一番よく聞いたのは、『安定して見える』という言葉でした。作品が持つ前向きなメッセージを、自分を通してうまく表現することができて、どれほど幸せか分かりません」。
家族は力になった。ナム・サンミが無事に復帰できるよう、夫は妻を大衆に譲った。一緒に暮らしているしゅうとめも、物心両面で助けてくれた。生まれてまだ1年5カ月の娘までもが応援してくれた。撮影場に通う母親に向かって、むずかることなく笑いながら「ばいばい」をした。「撮影が休みのときはテレビ電話でいつも顔を見ていたので、それほど離れているという気はしませんでした。家族のおかげで、今後も縁がある作品に挑戦し続けることができそうです」。
結婚したおかげで、「バラエティーうつ」も消えた。ナム・サンミは、ケーブルチャンネルtvNの『宅飯ぺク先生』に出演している。レギュラーは今回が初めて。以前はバラエティー番組出演を固辞していたナム・サンミだが、今回だけは違った。ナム・サンミは「生存」の問題だったと笑った。「料理をどうするか心配していたときに、『宅飯ぺク先生』から出演のオファーがあった。テレビに出演するというより、料理を学ぶ気で臨んだので、自然と適応できた。気持ちを落ち着ける薬なしでバラエティーに出演している自分を見て驚いた」と語った。
手料理の味はだいぶ向上した。主婦として生きる面白さを、このごろかなり感じている。ナム・サンミは「今は、どんな料理でもうまくできる」と自信を見せた。「ぺク・ジョンウォンのレシピ」で「万能カンジャン(韓国しょうゆ)」をたくさん作り、『キム課長』で共演した同僚俳優にプレゼントしたが、誰かに食べ物をプレゼントするのは今回が初めてだという。得意な料理は豆焼肉、イカと豚バラの焼肉だ。
ナム・サンミは女優にして妻、母、嫁でもある。これでは体がばらばらになってしまう。しかし、忙しく生きている今が気に入っている。これからも女優と家庭を両立させる予定だ。ナム・サンミは「全てのことに感謝しながら、最善を尽くして楽しんでいる。何にでも積極的に臨み、かつての消極的な一面は消えた。気持ちのいい影響を及ぼしているみたい」と語った。