ソウル・江南駅はまさに「リトル大韓民国」

江南駅小史

 「どこに行ってもこれと言って特徴のない都市、わが国の現代史と江南(ソウルの中心を流れる漢江以南)の内実を示してくれる場所が江南駅だ」

 江南の歴史を詳細につづった『江南の誕生』の著者、ハン・ジョンス世宗市都市再生センター事業支援チーム長はそう話す。江南駅は、「江南」と聞いて思い浮かぶ最大の商圏で、韓国が短期間で成し遂げた経済成長とその裏側を如実に示す、小さな大韓民国だ。

ニューヨーク製菓
▲ ニューヨーク製菓

 1969年に漢南大橋、70年に亰釜高速道路が開通し、江南開発が本格化し始めたが、70年代初めの江南駅一帯はまだ広い野原に過ぎなかった。74年にオープンしたニューヨーク製菓くらいしか大きな建物はなかった。82年に地下鉄2号線が開通したことが、江南発展の転機となった。江南駅を中心に、江南大路やテヘラン路には高層ビルが建ち並び、多くの店ができ、人々が通りにあふれた。しかし、90年代末のアジア通貨危機をはじめ景気低迷が発展にブレーキをかけた。新たに生まれた商圏が江南の脅威にもなった。都会の真ん中で発生した水害により、体面に傷がついたことも1度や2度ではない。思い出の場所だったニューヨーク製菓は2012年に閉店し、SPA(デザイン・製造・流通一括型)ブランド「8seconds」がその場所で営業を始めた。

 江南駅は再び変化している。PSYが歌った『江南スタイル』のおかげで世界の注目を浴び、最先端の時代へと、より早いスピードで進んでいる。

ソウル・江南駅はまさに「リトル大韓民国」

■江南駅関連の主な出来事

1974年 ニューヨーク製菓(現・江南駅10番出口前、8secondsがある場所)オープン

1976年 永東1路の道路名が江南大路に変更

1982年12月 地下鉄2号線開通(江南駅)

1988年 江南大路を境に江南区・瑞草区分離

1989年 江南大路が10車線に拡張

2008年1月 瑞草区にサムソンタウン完工

2008年8月 7号線開通(ノンヒョン駅)

2009年7月 9号線開通(新ノンヒョン駅)

2011年7月 江南駅浸水

2011年10月 新盆唐線開通(江南駅)

2012年5月 ニューヨーク製菓閉店

2016年5月 江南駅殺人事件発生

カン・ジョンミ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース