慶尚北道永川市は、まさに家族連れにピッタリの観光スポットだ。高性能の天体望遠鏡で星を眺められる普賢山天文科学館から、自分で作品を作れるシアン美術館、馬に乗って森を散策できる雲住山乗馬自然休養林まで、 家族で楽しめるプログラムが多い。
まずはシアン美術館。花山面にあるシアン美術館は、作品を鑑賞するだけでなく、誰でも作品を作ることができる創作空間だ。廃校をリモデリングした同美術館がオープンしたのは2004年。グラウンドは広い芝生に生まれ変わった。暖かい日には芝生でピクニックを楽しむこともできる。
美術館の入り口では、数百個の笑顔が目を引く。これは、クレヨンやアクリル絵の具で笑顔を描くと美術館の壁に飾ってくれるスマイル・プロジェクト。そのほか、自分だけの風鈴作り、アクセサリー作り、マグカップ作り、エコパウチ作りなど、親子で楽しめるプロジェクトがたくさんある。
次はビョルビョル美術村へ。平凡な田舎の村が屋根のない美術館に変身したのは2011年、村の美術プロジェクトに選定されてから。路地のあちこちに彫刻や絵画、写真など計62点が飾られている。
そんな美術村の中で特に目を引くのが、ウリトンネ(おらが村)博物館。これまで歴史の教科書や博物館では見られなかった、小さな村の歴史を目にすることができる場所だ。60年前の小学校卒業式の写真から色あせた結婚式の写真、四季の風景を収めた写真まで、村の住民たちの昔と今を見比べることができる。
一方、普賢山はきれいな星空が見える場所として有名だ。普賢山のふもとにある普賢山天文科学館では、昼は太陽を、夜には星を眺めることができる。5Dドーム映像館も人気だ。ここでは宇宙の姿を立体的に見ることができる。
同科学館から9キロほど離れたところに普賢山天文台がある。海抜1124メートルの普賢山頂上に位置するこの天文台には、韓国で最大の口径1.8mの光学望遠鏡があり、肉眼で見るより100万倍以上詳しく見ることができる。20キロ離れたところにある100ウォン(約10円)玉を識別できるほどだ。ただし、ここは研究施設のため、一般人が天体観測のため望遠鏡を使用するのは難しい。
普賢山には天文台のほか、美しい森にデッキが設置された「長寿を享受できる道」がある。人間が通ると自動的に感知し、静かに音楽が流れるほか、高い場所にあるため、雲の上を歩いているような気分を味わえる。デッキの途中には星形の展望台がある。
星を眺めた後は、雲住山乗馬自然休養林へ。その名の通り乗馬クラブと休養林があり、雲住山は傾斜が緩やかなため、馬に乗って散策するのにちょうどいい。乗馬クラブにはポニーもおり、その風貌のかわいさから子どもたちに人気だ。
そのほか、簡単な科学プログラムが体験できる崔茂宣(チェ・ムソン)科学館もある。韓国で初めて火薬を開発し、世界で初めて海戦で火砲を用いた崔茂宣将軍をテーマにした場所で、デジタル花火作りをはじめ、手軽に楽しめるプログラムが用意されている。
廃校になった小学校をリモデリングしたオガム工芸体験場も、永川で人気の観光スポットの一つだ。陶器作りやロケット作りなどが体験できる。グラウンドはキャンプ場になっており、キャンプを楽しむ家族連れも多い。