韓国最大の桜祭り、「鎮海軍港祭」盛況

 海軍士官学校からほど近いところにある中原ロータリー(慶尚南道昌原市鎮海区)。この一帯は、週末になると将兵たちに会いに来る面会人を除けば、普段は一般的な街とそう変わらない。しかし、毎年4月初めには、全国で最も注目を集める場所になる。鎮海区全域で36万本の桜が一斉に花を咲かせるからだ。

 そのため、春になると全国から多くの観光客が鎮海にやって来る。訪問者は毎年平均270万人。この時期、鎮海の様子は海外にも伝えられる。今年も4月初めに開幕した鎮海軍港祭を訪れた。

韓国最大の桜祭り、「鎮海軍港祭」盛況

 鎮海軍港祭は1952年4月13日、韓国で初めて、李舜臣(イ・スンシン)将軍を追悼するため鎮海・北原ロータリーに銅像を建立し、追悼祭を開催したことに由来している。李舜臣将軍を追悼するこのイベントが十数年にわたり行われた後、1963年からは郷土文化芸術の振興のため、春の祭りとして発展したという。

 鎮海軍港祭で人々がにぎわうスポットのうち、最も有名な場所は余佐川だ。余佐川は、およそ1.5キロの小川に沿って両岸に桜の木が植えられている。そばにはウッドデッキが整備されており、のんびり歩きながら美しい風景を眺めることができる。軍港祭で一番の名所らしく、朝早く訪れたのにもかかわらず、すでに多くのカップルたちが散策を楽しんでいた。

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 余佐川は昼間だけでなく、夜にも訪れる人の足が絶えない。街灯のほのかな明かりと桜がマッチし、ロマンチックな雰囲気を味わうことができるからだ。特に今年はさまざまなハート型の発光ダイオード(LED)照明が設置され、よりいっそう雰囲気が増している。

 余佐川以外にも、軍港祭を代表するスポットがある。それは慶和駅だ。慶和駅は現在、営業していない廃駅だが、線路の両脇がおよそ800メートルにわたり桜のトンネルとなっており、壮観をなしている。こうした風景のおかげで、余佐川と合わせて、軍港祭を代表するスポットとして知られている。

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 慶和駅が桜の名所として知られるようになったのは、桜のトンネルの下を列車が通過していたからだ。しかし、安全上の問題により、2016年から列車は運行していない。その代わり、トンネルの下に列車が停車しているフォトスポットが設けられた。動く列車は見られなかったが、慶和駅を訪れた観光客たちはこの日、列車に乗って記念撮影をしていた。

 余佐川や慶和駅の影に隠れがちだが、内水面環境生態公園も多くの人が訪れる桜の名所の一つだ。内水面環境生態公園では、湖を囲む桜の姿を見ることができる。特に晴れた日には、湖に映ったピンク色の桜が見事だ。そのため内水面環境生態公園には、春になると全国各地から写真愛好家たちが訪れる。

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 今年の軍港祭は、以前にはなかったさまざまなプログラムが企画された。まず、慶和駅ではおよそ40のバンド、農楽隊、合唱団などが9日までさまざまな公演を繰り広げた。また、余佐川には韓服(韓国の伝統衣装)体験ブース(2カ所)、韓服関連アクセサリー体験ブース(1カ所)が設けられた。ここでは多様な韓服100着のほか、かんざし、ヘアバンド、礼冠作りなどを体験することが可能。

 なお、昌原市は「第55回鎮海軍港祭」を訪れた観光客の便宜を図るため、18カ所・40個の仮設トイレを設置。また、同市は1万6200台分の臨時駐車場を確保し、外部・内部のシャトルバス4路線を運行した。

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