『月桂樹洋服店の紳士たち』イ・セヨン、「百の顔を持つ女優に」

『月桂樹洋服店の紳士たち』イ・セヨン、「百の顔を持つ女優に」

「いい俳優には、『千の顔』という修飾語が付くじゃないですか。私も、がんばって『百の顔』という誉め言葉くらいは聞きたいです」

 女優イ・セヨン(24)が、ちょっとおてんばっぽく語った。イ・セヨンは、2月26日に放送が終了したKBS第2テレビのドラマ『月桂樹洋服店の紳士たち』(以下『月桂樹』)で、弾むような魅力を持つ財閥の娘「ミン・ヒョウォン」を熱演した。視聴率35.8%(ニールセン・コリア調べ)をマークして全テレビ番組の頂点に立ち、有終の美を飾ったこの番組で、「Ah-Chooカップル」と呼ばれて最も人気を集めたキャラクターだ。ソウル市ノンヒョン洞のカフェで3月2日に対面したイ・セヨンは「番組の役に溶け込んだと思った瞬間、大衆の人気もついてきた」と笑った。

 「Ah-Chooカップル」とは、番組で恋人同士のミン・ヒョウォンとカン・テヨン(ヒョヌ)に視聴者が付けた愛称。理由は、2人が登場する場面ではガールズグループLOVELYZの「Ah-Choo」がBGMとして流れるから。ミン・ヒョウォンは、一目ぼれしたカン・テヨンに「軽い女だと思われてもいい。本当に好きなら、プライドなんか重要じゃない」と愛を告白する。「実際の恋人のように見えて欲しかった。甘いせりふを活かそうと、心を込めました」。

 5歳のときにMBCの『Popopo』(MBC)でデビューしたイ・セヨンは、子役出身だ。輝くような眼差し、しっかりした演技力で、『僕が9歳だったころ』『13歳、スア』『ラブリー・ライバル』などさまざまな映画で主役を演じた。高校進学に伴い一時中断していた演技は、誠信女子大メディア映像演技学部に入学した後、再開した。『月桂樹』は「子役」というレッテルをはがした作品。「もう20代半ばなので、演技者としていろいろな魅力を披露してこそ、次の作品につなげられると思いました。停滞しないようにしようという覚悟で、気を張って臨みましたね」。

 記憶に残るせりふは、自分の貧弱な立場を気にしていたカン・テヨンにかけた慰めの一言だ。「『人には誰でも、欠けているところがあるものです。その欠けているところがお金なら、むしろ幸せじゃないですか』と言った場面です」。

 イ・セヨンは、質問を受けるたび、小さなノートに単語を書きながら答えた。「瞬間的に思い浮かんだ内容を忘れてしまうのではと思って」。視聴者から、手紙もかなりもらったという。「Ah-Chooカップルのおかげで癒された」という内容だ。「私の演技を見た人が面白さ、喜び、幸せを感じたのならうれしいですね」。

パク・サンヒョン記者
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