13年のブランクを感じさせない『師任堂』イ・ヨンエ、最後まで輝けるか

イ・ヨンエのテレビドラマ復帰作、SBSの『師任堂 色の日記』
朝鮮王朝時代と現代が交差、師任堂とワーキングママの人生を同時に描く
全30話の番組を引っ張る、重みある感動が必要

▲ドラマ『師任堂 色の日記』で画家の申師任堂を演じ、絵を描いているイ・ヨンエ。山水画に長けた申師任堂を演じるため、実際に絵を学んだ。/写真提供=SBS
▲ ▲ドラマ『師任堂 色の日記』で画家の申師任堂を演じ、絵を描いているイ・ヨンエ。山水画に長けた申師任堂を演じるため、実際に絵を学んだ。/写真提供=SBS

 朝鮮王朝時代の女流画家、申師任堂(1504-51)を主人公にしたドラマを作るというのは、容易ではないチャレンジだ。良妻賢母、かつ書画に長けた芸術家だった師任堂の人生には、ジェットコースターのように劇的な場面が特にあるわけではない。人生そのものが一本のドラマだった李舜臣(イ・スンシン)将軍とは異なり、申師任堂を取り上げたドラマや映画を見出し難い理由がここにある。

 SBSの水木ドラマ『師任堂 色の日記』は、こうした限界の正面突破を試みた。申師任堂も妻・母である前に熱い愛と情熱を抱く女性だった、という観点から出発した。山水画が巧みな画家にして、無能な夫に代わって家計を支えるワーキングママだった-というところに注目した。

 番組で描かれる師任堂は、5万ウォン紙幣に刷られた無表情な肖像画とは異なる。幼いころの師任堂は、画家の安堅(アン・ギョン)が描いた絵を見るため、よその家の塀まで乗り越える。「どうして女は、してはならないことがそんなにも多いというのでしょうか」と尋ねる、大胆な少女だ。

 偉人の人生をフィクションでゆがめているという批判もあるが、乏しい史料だけに基づいて申師任堂の人生を復元することは、どのみち不可能だ。広く知られているイメージも、かなりの部分は朝鮮王朝時代の儒教理念や植民地期の戦時動員体制など、時代の必要に応じて作られたものだ。

 脚本家は、ややもすると堅苦しくなりかねないストーリーに生き生きとした感覚を付与するため、朝鮮王朝時代と21世紀を交差させた。イ・ヨンエが、朝鮮王朝時代の師任堂と、現代の美術史講師ソ・ジユンの二役を演じる。過去と現在が「メビウスの輪」のようにつながる-という脚本家の説明のように、申師任堂とソ・ジユンの人生は、別人のようでありつつも、ある瞬間には重なり合う。一人二役はつらいはずだが、イ・ヨンエの演技はさび付いていなかった。「ソ・ジユンが教授のポストを手に入れようと、指導教授の新居祝いで食事を振る舞い、雑用までこなす場面はリアルだった」(キム・ユンドク記者)、「ソ・ジユンの人生が申師任堂という人物と自然に重なるようにする設定の巧みさが目立った」(チェ・ミンギ記者)という評価がある一方、チェ・スヒョン記者は「現代パートは、非常にトレンディであってこそ興味や共感を引き出せるものだが、朝鮮王朝時代の場面に比べ、現代の場面の方がむしろ古臭く、退屈に感じる」と指摘した。

チェ・ミンギ記者
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