インタビュー:ヒョンビン「笑いもアクションも楽しめる映画です」=『共助』

インタビュー:ヒョンビン「笑いもアクションも楽しめる映画です」=『共助』

 俳優にとって、「第一印象」は越え難い壁だ。喝采を受け、深く刻まれた第一印象ならなおさらだ。旧正月の連休中、韓国映画の期待作の一つ『共助』(キム・ソンフン監督)で、ユ・ヘジンと共にツートップ主演を務める俳優ヒョンビン(写真)もそのケース。大衆はヒョンビンに、ドラマ『アイルランド』(2004)のボディガードや、『シークレット・ガーデン』(2010)、『私の名前はキム・サムスン』(2005)の白馬の王子を期待した。今回の映画でヒョンビンが演じた「特殊部隊出身の北朝鮮の刑事」イム・チョルリョンは、考えるより先に体が反応するアクションキャラクターだ。ヒョンビンにとっては新たな挑戦だった。ヒョンビンが「満足いく選択」に挙げる恋愛映画『レイトオータム』が「無理を承知で挑戦した作品」であったように。「『レイトオータム』は米国シアトルで全部撮っていて、スタッフも、相手の女優(タン・ウェイ)もみんな外国人でした。なじみのものは一つもありませんでしたが、多くの方が、僕をあらためて評価してくれましたね。方向は違っても、今回の映画もやはり僕にとっては『レイトオータム』なみに大きな挑戦でした」。

 『共助』は、偽ドル紙幣の原板を奪取した北朝鮮の犯罪者がソウルに潜伏し、問題児の韓国の刑事「カン・ジンテ」(ユ・ヘジン)と北朝鮮の刑事「イム・チョルリョン」(ヒョンビン)が南北共助捜査を展開するというストーリー。予想の通り、ユ・ヘジンが笑わせ、ヒョンビンはしゃれている。しかもヒョンビンは、高層ビルや高架の道路から飛び降り、走り、転がるシーンをほとんどスタントなしで自ら演じた。「トンネル内の追跡シーンで車にしがみついたまま銃を撃つときは、車の床に設置された安全装置を外して演じました。高速で走る車なので路面から何がせり出しているか分からない上に、弾の薬きょうが問題でしたが、そうすることでもっとリアリティがあるだろうと思ったんです」。

 殺傷用の実戦武術の訓練を受け、1対1の格闘シーンも自ら演じた。ヒョンビンは「急所を突き、強い一撃を入れる武術なので、少しでも計算が狂うと大けがをしかねなかった」と語った。「手合わせが実際の状況のように素早くなっていくので、うきうきしましたね。何度かリテイクしてみると、骨と骨がぶつかる手足がどんどん腫れあがっていきましたが、それもよかったです」。

 寡黙なキャラなので、短いセリフや雰囲気で感情を伝えなければならなかった。とりわけ、韓国の刑事の家で家族の歓待を受け、少しずつ心を開いていく過程を表現するのがカギだった。「食卓で、韓国の刑事の幼い娘が、ちょっとの間僕の膝に座ります。そのとき、見えるか見えないかくらい、ひっそり笑うんです。恋人の死を経験して復讐のためソウルに来た北朝鮮の刑事が、なくしてしまった家族の夢を思い出すんだと考えました」。

 映画であふれる旧正月の劇場街、観客はなぜこの『共助』を選ぶべきか。「舞台あいさつのとき、若い観客も、お年を召された方も大勢いました。老若男女、家族一緒に来ていただいて、笑いとアクションを一緒に楽しめる映画です」。

イ・テフン記者
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