キム・ハヌルがスクリーンに戻ってきた。一時は恋愛ものの女王、ラブコメの帝王、そしてホラークイーンと呼ばれていたキム・ハヌルが、映画『女教師』でイメージチェンジして戻ってきた。
映画『女教師』(キム・テヨン監督)は、非常勤の女教師と、正規の教師としてやって来た財団理事長の娘との間で展開する物語を描いた作品。理事長の娘が深くのめり込んでいる舞踊科の高校生に、ある瞬間、心奪われたことで起こる感情の暴風を表現した。
同作でキム・ハヌルは、10年間一緒に暮らしているが頼りにならない交際相手に、とにかく正規職になることだけを望み、不当なことも次々と受け入れなければならなかった女教師「ヒョジュ」を演じた。感情が物悲しく燃え上がり、一瞬で消えてしまう刹那を、余すところなく表現した。キム・ハヌルが描く『女教師』の物語を聞いた。
-『女教師』をなぜやったのか。全く違う役で、しかも素材にはラブシーンの負担もあるが。
シナリオを読みながら、私向きの映画ではなく、できないと思っていました。役に感情移入しながらシナリオを見るので、とてもつらかったですね。自尊心が傷つき、気分はよくありませんでした。けれど、シナリオを閉じてしまった後、感情の余韻が長く残りました。これを逃したら、また別な感じで気分を害しそうでした。未練が残るでしょうね。出演することにして監督さんに会ったときも、自分が本気でやろうとしているのか、確信は持てませんでした。
-どういう部分が大変だったか。
一人で立っているような感覚でしょうか。プライドだけの人間が、多くを持っている友人にくっついて、ひざまずかなければならないので、非常に気に障りましたね。その感情に耐えるのは容易ではなく、見たくないという気持ちでした。けれど、役は不慣れですが共感して、理解できるようになりました。もともと挑戦という言葉は好きではありません。作品を選ぶときも、やりたいと思ってうまく表現できるなら選びました。イメージチェンジや挑戦というようなことではありませんでした。けれど『女教師』は、ある点では、私にとって明らかに挑戦でした。新しいことに挑戦するというよりは、不慣れだけれど理解するという形の挑戦でした。