インタビュー:『隠された時間』カン・ドンウォン、「信頼」を強調

「大人になって悲しかったことですか? 人を簡単には信じられない時ですね」

インタビュー:『隠された時間』カン・ドンウォン、「信頼」を強調

  ある日突然姿を消した13歳の少年ソンミンが、20歳の大人になって現れた。そんなソンミンの話を信じてくれるのは、仲良しのスリンだけ。今月16日に封切りされる映画『隠された時間』のストーリーだ。11月2日午後、ソウル市鍾路区八判洞のカフェで対面したカン・ドンウォンは、『隠された時間』について「信頼に関する映画」だと言って、“信じること”に力を込めた。カン・ドンウォンが「信頼」を重視するのは、現代人が不信の時代を生きているからだ。人が人を信じられないことはしょっちゅうで、挙句に一個人が国政に介入するという、稀代の事件が国を根底から揺るがしている昨今。カン・ドンウォンも、自分の経験談を基に「人をあまり信じられない方だ」と率直に語った。

「人をあまり信じられない方ですね。こっちの世界(芸能界)は特にそうだと思います。文書で残しておかないと、口頭で約束していたことは手の平を返すようにひっくり返されてしまいます。私も、そういうことをよく経験しました。責任が大きくなって神経を使うことが増えたときもそうでしたが、何より、人をあまり信じられない自分を見て、大人であることが悲しくなる時があります」

 カン・ドンウォンが長年、個人マネージャーを置いて一人で仕事をしていたのも、そういう理由からだった。そのため、兵役を終えた後、UAAと専属契約を結んだ時には「意外」という反応が多かった。UAAに続いて大手プロダクションの一つ、YGエンターテインメントと専属契約を結んだことも話題になった。YGと手を結んでから、いつの間にか9カ月が過ぎた。

「(YGは)僕が仕事をしていたのと、大きな変化はないですね。そういうことを経験したからなのか、事務所に大きな期待をせずにスタートしましたが、仕事をしていてこれまで失望したことはありませんでした。それで信用したとでも言いましょうか。会社では、何かを要求することなくちゃんとやってくれるので、むしろ僕自身が一生懸命やって、会社の役に立ちたいという気持ちになりますね」

 カン・ドンウォンは今回の作品で、「体は大人、心は少年」という、大人と少年の境目にあるキャラクターを演じた。劇中の少年の年齢は13歳。カン・ドンウォン自身が13歳だったころの暮らしも気になった。

「13歳だと、小学6年のころじゃないですか。当時、初めて異性に目覚めたと思います。(しばし、その時代を思い出すかのように口ごもる) 純粋だったころでね。それまでは『青い空、青い空、雲が』と(童謡を)歌っていたのに、6年生になると『君はバラほど美しくはないけど』と(歌謡曲を)歌っていました。異性に目覚める場面は、ソンミン(劇中の役名)と似たようなものだったと思います(笑う)」

 カン・ドンウォンがこの作品を選んだ理由は、「時間が止まった」という独特のコンセプトに魅了されたからだ。話にならない設定に、最初は「作り笑いを浮かべた」という。30代後半という年齢の自分が、キャラクターにマッチするかどうかも疑問だった。それで「僕もいいがオム・テグも20歳なので、(僕が)やるには無理があるのではないか」となだめた。やるかやらないか悩んでいた時、オム・テグの兄、オム・テファ監督と会い、監督の底力に引っ張られて出演を決めた。『黒い司祭たち』『検事外伝』に続いて、ファンタジーロマンスでもカン・ドンウォンの興行パワーが通用するかどうか、関心が寄せられている。

 カン・ドンウォンは、『隠された時間』に続いて、年末には『マスター』で再びスクリーンに登場する。映画のスケジュールは来年までぎっしりで、テレビの撮影は2004年の『マジック』が最後。映画俳優のテレビ出演が相次いでいるだけに、カン・ドンウォンのテレビ出演も気になった。

「僕はよく寝て、よく働きたい。単なる睡眠の問題ではなく、準備する時間が足りないと、いい演技を見せられなくて、視聴者にも失礼じゃないですか。このごろドラマの環境は、昔のように生放送みたいな雰囲気ではないといいます。事前制作システムも定着してきているので、いい作品があればできそうですね」

パク・ミエ記者
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