【ソウル聯合ニュース】韓国映画「密偵」(原題)が秋夕(中秋節、今年は9月15日)連休中の観客動員数トップに立った。
韓国映画振興委員会の統計によると、「密偵」は公開11日目の17日に73万6911人を動員し、興行1位を記録した。
累計観客動員数は558万4270人で、600万人に迫っている。公開11日目での500万人突破は、観客1000万人を超えた韓国映画「弁護人」(13日目)や「国際市場で逢いましょう」(15日目)より早い。
「密偵」は、日本による植民地時代の1920年代を背景に、日本の主要施設を破壊するため上海から京城(現ソウル)に爆弾を運ぶ抗日武装独立運動団体「義烈団」と、義烈団を追う日本の警察との暗闘を描いた。
俳優ソン・ガンホが朝鮮人の日本の警察、イ・ジョンチュルを、コン・ユが義烈団のリーダー、キム・ウジンを演じた。
ファン層が厚いキム・ジウン監督と韓国を代表するベテラン俳優のソン・ガンホ、コン・ユの組み合わせ、日本による植民地時代が背景のスパイ映画という点で「密偵」のヒットはある程度予想されていた。
「密偵」の好調は、競合作品といわれた韓国映画「古山子 大東輿地図」(原題)の興行成績が予想を下回ったことも影響したとみられる。
また、主演のソン・ガンホ、コン・ユだけでなく、助演のオム・テグ、特別出演のイ・ビョンホン、パク・ヒスンも抜群の演技で存在感を見せていることも見逃せない。
同作を製作したワーナー・ブラザースコリアのチェ・ジェウォン代表は「最近の若い観客は速い展開と登場人物が織り成す面白さを求めながらも起承転結があるストーリーに関心を持つ。『密偵』はこれらの要素を満たしている」と説明した。
「密偵」は、米大手映画会社ワーナー・ブラザースが韓国映画に初めて投資、製作し、成功したという点でも示唆するところが大きい。
20世紀フォックスが製作し、700万人近い観客を動員した「哭声」に続き「密偵」もヒット作となり、今後、韓国映画の製作に乗り出す米映画会社が増えると予想される。