インタビュー:『釜山行き』チェ・ウシク、「続編があるならまた出たい」

「期待もしていましたが、心配もかなりありました」

インタビュー:『釜山行き』チェ・ウシク、「続編があるならまた出たい」

  チェ・ウシクは笑いながら言った。映画『釜山行き』のことだ。チェ・ウシクだけだったろうか。いや、ほとんどがそう思っていた。「韓国でゾンビ映画なんて……」。懐疑的な視線が多かった。チェ・ウシクは、映画に出演するキャストの1人として、心配が先に立った。

「どうしても、外国映画と比較されることは避けられません。観客は既に、ゾンビ映画に対してある程度固定的なイメージを持っているのに、『釜山行き』がそれを克服して観客を満足させられるのかどうか心配でした。結局は、要らぬ心配でしたが」

 映画『釜山行き』は、8月7日に観客動員1000万人以上を達成した。今年初の「1000万人映画」だ。韓国型ゾンビ映画の成功、『釜山行き』の好調な興業は、韓国映画のジャンルの幅をちょっと広げた。

 『釜山行き』に登場する韓国高速鉄道(KTX)は、韓国社会の縮図だ。車内の人物は、それぞれの世代を代弁する。チェ・ウシクが演じた「ヨングク」は高校生。分量は多くないものの、友人だからと勇気を出すことをためらうヨングクの姿は、確かに10代のものだった。それだけでも、チェ・ウシクは自分の務めを果たしたといえた。

「言葉より行動が先に立ち、感情が不安定なころじゃないですか。生存者らが集まっている場所へ行くことにしたとき、ソグ(コン・ユ)、サンファ(マ・ドンソク)に先んじて腕にテープを巻いたのはヨングクです。それでも、ゾンビに変貌した友人たちの前では何もできず、立ち尽くしていました。そんな姿を通して、10代のキャラクターを表現したかったんです」

 チェ・ウシクの話を聞きながら、ふと、彼の10代のころが気になった。チェ・ウシクは「勉強はよくやったけどあまり遊べない、平凡な10代だった」と語ってくれた。友人たちは「平凡な子が演技をやる」と珍しがったという。自分で考えてもびっくりだ、とチェ・ウシクは付け加えた。

 だが平凡な彼は、1本の作品で新人賞をさらっていき、韓国映画界の注目を集める新人俳優になった。ポン・ジュノ監督のラブコールを受けて『Okja』にも出演した。周りの期待が大きいと調子に乗ったりもするものだが、今まさに最初の作品を終えた新人のように、純粋で率直だった。

「運が良かったです。良い監督さん、先輩方と出会えたおかげです。楽しく撮影したのに結果まで良いので、幸せです。『釜山行き』ほど気兼ねなく、気楽に演技ができた現場は、あまりなかったですね。映画『巨人』(原題)以来、久々でした。そこで遊ぶかのように気楽に演じながら、あることを学びました。うまくやろうと欲を出しすぎると、作品にとっては毒になりかねない、ということです」

 仮の話として、『釜山行き2』が出たらまた出演したいかと尋ねると、チェ・ウシクは笑いながらこう答えた。「もちろんです。でも既に感染してしまっているので、出演できるんでしょうか」

パク・ミエ記者
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