韓国映画 7~8月は期待の新作が公開ラッシュ

【ソウル聯合ニュース】韓国では7~8月にかけて話題の韓国映画が次々と公開される予定だ。
 20日公開の「釜山行き」をはじめ、「仁川上陸作戦」「徳恵翁主」「トンネル」(いずれも原題)の4作品は公開前から観客動員数1000万人達成も見込めるのではないかと期待を集めている。

◇ 今年初の観客1000万人動員映画出るか

 「釜山行き」は第69回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に招待され、称賛を浴びた。

 独創的なアニメーションを手掛けてきたヨン・サンホ監督初の実写映画で、韓国が前代未聞の災害に見舞われた中、ソウル駅を出発した釜山行きの高速鉄道(KTX)に乗った人々の命懸けの死闘を描いた。

 韓国の観客にはなじみの薄いゾンビが登場するが、しっかりとしたストーリー展開、ハリウッドににも劣らぬリアルな扮装(ふんそう)などで注目を集め、ヒットの可能性が高いと予想される作品の一つだ。

 結末がやや新派劇のようだとの指摘もあるが、ゾンビの攻撃の中で強まっていく夫婦間、親子間の愛を韓国の観客の感性に合わせて表現したとの評価が優勢だ。

 ヨン監督は聯合ニュースの取材に対し「ありふれたストーリーかもしれないが、韓国社会が向かうべき方向に関するメッセージを伝えたかった」と語った。

 27日に公開される「仁川上陸作戦」は、朝鮮戦争中にほぼ不可能に近かった仁川への上陸作戦を成功させたダグラス・マッカーサーと韓国海軍諜報部隊の知られざる活躍を描いた。

 愛国心を奮い立たせようとしたり、涙を誘おうとする展開に対し酷評も出ているが、韓国の観客特有の愛国的情緒に訴えかける内容でシンドロームを巻き起こす可能性もあるとの期待も少なくない。

 マッカーサー役を演じた俳優リーアム・ニーソンの初の韓国映画出演作という話題性のほか、映画の年齢制限が12歳以上と「釜山行き」よりも低いという有利な点も持っている。

◇ 8月はさらに競争が激化

 「徳恵翁主」と「トンネル」は公開日が来月10日で同じだ。

 「徳恵翁主」は、朝鮮王朝第26代国王で後に大韓帝国初代皇帝となった高宗(コジョン)の娘、徳恵(トクヘ)翁主(1912~89年)の生涯を描いた作品で、権丕暎(クォン・ビヨン)氏の小説「朝鮮王朝最後の皇女 徳恵翁主」を原作とする。女優のソン・イェジンが徳恵翁主役を熱演した。

 俳優ハ・ジョンウ主演の「トンネル」は、突然崩壊したトンネルに1人閉じ込められた自動車販売員のジョンス(ハ・ジョンウ)と夫を助けようとする妻(ペ・ドゥナ)、救助隊員テギョン(オ・ダルス)の3人をめぐるストーリーを描いた。

 ある映画配給会社の関係者は「ソン・イェジンもハ・ジョンウも集客力がある。両作品とも観客の共感を得るテーマを扱っており期待が集まっている」と評価した。

 8月にはこの2作品のほか、女子アイスホッケー韓国代表の挑戦を描いたスポーツ映画「国家代表2」(原題)も公開を控えており、さらに競争が激しくなりそうだ。

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