「昨年までは、職業欄に『俳優』と書くこともできませんでした。いつ出演オファーがなくなるか分から
tvNのドラマ『オ・ヘヨン』が6月28日に最終回を迎え、ケーブルテレビ月火ドラマ初の視聴率10%越えで放送を終えた。最高視聴率10.6%(ニールセン・コリア調べ、有料プラットフォーム基準)で終わった同番組の主人公「オ・ヘヨン」を演じたのはソ・ヒョンジン(31)。ソウル・江南で開かれた記者懇談会で、そのソ・ヒョンジンと対面した。平凡な「オ・ヘヨン」が、美人で仕事もぱっと片付ける同姓同名の「オ・ヘヨン」(チョン・ヘビン)と出会う中で、ドラマのストーリーは展開していく。ソ・ヒョンジンは同番組で、デビュー15年目にして視聴者の心に自分の名前を刻み込んだ。泣きながらほほ笑む演技、左右の鼻の穴から鼻血を流してよどみなく崩れていく演技なども自然にこなし、「ロマンチックコメディの女王」という別名も付けられた。
『オ・ヘヨン』は「私は、自分のことが相変わらず切なくて、うまくいって欲しい」などといったセリフで20-40代の女性視聴者の共感を呼んだ。その中心には、被害意識にとらわれつつも一生懸命生きようとするオ・ヘヨンがいる。ソ・ヒョンジンは「恥ずかしくて言いたくないほど被害意識がひどかった時期があるので、オ・ヘヨンに共感して演技で表現できた」「“密着ドキュメンタリー”を撮るつもりで、偽りのない姿を見せようと思った。番組のオ・ヘヨンのように、毎日毎日自尊心を守るため苦労したから、大勢の視聴者が共感してくれたのだろう」と語った。
ガールズグループM.I.L.Kで2001年にデビューしたソ・ヒョンジンの芸能界暮らしは、順調なときばかりではなかった。芸術高校で韓国舞踊を専攻したソ・ヒョンジンは、「街角スカウト」で人生が変わった。「父母は、私がエンターテインメント会社に入ったらアナウンサーになるのだろうと思っていました。もともと、テレビを見ないスタイルなんです」。M.I.L.Kはアルバムを1枚出してすぐに解散した。「ほかのことをやる勇気がなくて、演技の塾にずっと通いました。そうして今では、私の演技に心を痛め、あるいは喜んで下さる方が増えました」。
ドラマの「オ・ヘヨン」とあらゆる面で一致するわけではない。愛の前で率直に、勇気を持って感情をあらわにするオ・ヘヨンの性格は、ソ・ヒョンジンとはまるで違う。「私は、近寄っていくことも、近寄ってくることもできず、静かにしています。好きな人が好きになってくれるのを待つだけというもどかしさです。オ・ヘヨンを演じていて、私も勇気を持つべきだと決心しました」。
ソ・ヒョンジンは、「ロールモデル」として映画俳優のメリル・ストリープを挙げた。「映画『マディソン郡の橋』を昨年見て、人にときめく理由は目でも鼻でも口でもなく、体つきでもなく、表情だということを知りました」。やってみたい役はあるだろうか。「弁護士、検事、詐欺師のように舌鋒鋭い仕事を演じてみたいですが…本当は何でも好きです」。