インタビュー: 新作で久々にコメディー挑戦 女優キム・ヘス

「子どもが大好き。『子どもの日』には、子どもたちに夢中になって撮影もできないくらいです」

インタビュー: 新作で久々にコメディー挑戦 女優キム・ヘス

  キム・ヘスがにっこり笑った。キム・ヘスは、6月29日に主演のヒューマンコメディ映画『GOODBYE SINGLE』(キム・テゴン監督)の公開が始まった。同作でキム・ヘスは、「味方を作りたい」と妊娠スキャンダルを起こす、とんでもないトップスター「コ・ジュヨン」を演じている。

「小さいころから子ども好きだったようです。縁のある子はみんな『私の甥っ子』になります。昔は、少なくとも子ども三人は生むべきではと、そう言っていましたが…これから先も、分からないですね」

 『GOODBYE SINGLE』は、コメディを装ったドラマだ。何の心配もなく、愉快に見ることができる。キム・ヘスが手術を受けて唇がどんどん腫れていく場面や、偽物の「お腹」を付けて妊婦のふりをする場面などでは大笑いする。同作は、妊娠スキャンダルという皮をかぶってはいるが、「極端から極端」な暮らしをしている女優と女子中学生が家族になる中でつむぐアンサンブルには心が温まる。バラエティ方面になかなか姿を見せないキム・ヘスが、久々にコメディ映画に出ると決めた理由の一つだ。

「ユーモアの感覚が本当にないんです。ジョークを言われたら、ジョークだと分からず、ありのまま聞いてしまうスタイルがありますね。私のことです。人が、ちょうど話をして笑っている時は分からなくて、後になって一人で笑ったりしています。なので、コメディの演技もできず、バラエティもできません。(自分が演じる)コ・ジュヨンは、私が何かを付け足す必要のないキャラクターでした。笑いよりも、ストーリーの方に力点を置いている映画です。描こうとしているストーリーに真心を感じて、選択しました」

 コ・ジュヨンの職業が俳優だということで、演じる上で負担はなかったのだろうか。ドラマの悪役が余計に悪口を言われるのと同じように、俳優がぴったりのキャラクターと出会ったとき、視聴者は俳優をキャラ自身と錯覚することもある。

「コ・ジュヨンが女優全体を代弁しているわけではないでしょう。負担は全くありませんでした。むしろ、キャラを作っていく面白みの方が大きかったです。唇もそうだし、妊娠もそうだし、ああいう特殊メークは初めてでしたから」

 コ・ジュヨンのせりふの中には、誰しも共感できるせりふが多い。「協賛衣装、協賛人生」を語り、「本当の自分のものは一つもない」というセリフも、そうした中の一つ。俳優業とは関係なしに、自分がどう考えているかより他人がどう考えているかの方が重要なこのごろの世の中で、ちくりと耳に刺さる一言だ。

「俳優業は、自分を通してほかの誰かを表現する職業ではないですか。作品に出演するたびに、絶えず自分を消すんです。その過程で『本当の私は何?』と考えることもありえるでしょう。自分の意志や自分の意向でなんとかするのではなく、周りが介入してきて自分の人生を築き上げるのだとしたら、それは俳優業とは関係なしに、人間としてとても不幸なことではないですか」

パク・ミエ記者
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