本紙と映画館入場券前売サイト「MAX MOVIE」は先月(5月9日-15日)、電子メールを用いて韓国国内の映画の観客1万286人を対象に、共同でアンケート調査を行った。その結果、観客に最も人気ある俳優は、男性の観客ではファン・ジョンミン、女性の観客ではキム・ヘスだったことが分かった。また、男優・女優別ではソン・ガンホとキム・ヘスがそれぞれ最も人気を集めた。三人はいずれも40代の中堅俳優。一方、トップ10内に20代の俳優はほとんどランクインしなかった。
■「20代の俳優は行方不明状態」
「好きな俳優」トップ10に入ったのは、ほとんどが30-50代の俳優だった。この分野で健闘した20代の俳優は、男女合わせてチョン・ウヒとハン・ヒョジュの二人だけだった。男性人気俳優トップ10に入った俳優の平均年齢は39.5歳。このうち、ファン・ジョンミン(45)、ソン・ガンホ(49)、イ・ビョンホン(45)、チョ・ジヌン(40)、チョン・ウソン(43)はいずれも40代の中年だ。ファン・ジョンミンの場合、『国際市場で逢いましょう』『ベテラン』『ヒマラヤ』『検事外伝』『哭声』など、昨年から映画に出演するたびヒットを飛ばしている。女優でも、トップのキム・ヘス(45)が40代で、トップ10内に入った女優の平均年齢は36.1歳だった。キム・ヘスは最近、興行映画に出演していないが、『コインロッカーの女』やドラマ『シグナル』で強い印象を残した。「演技がうまい俳優」を尋ねるアンケートでは、俳優の年齢がさらに上がった。男優トップ10は、ハ・ジョンウ、ユ・アインを除いて全員40代以上で、平均年齢は44.3歳。女優トップ10は平均年齢47.1歳だった。人気ランキングには入らなかったユン・ヨジョン、キム・ヘスクなどの中堅女優も、演技力ランキングには名を連ねた。2006年にこのアンケートがスタートして以来、キム・ヘス、チョン・ドヨン、ファン・ジョンミン、ソン・ガンホのような優れた演技力を持つ40代の俳優は常に上位に食い込んでいる。
中堅俳優の後を継ぐ20代の俳優がなかなか見当らないのも特徴だ。20代で唯一、初登場した俳優は、今年『解語花』『哭声』に出演して注目を集めたチョン・ウヒ(29)。ある映画関係者は「最近は、演技力が低いと観客の反応も冷たい。見た目や年齢とは関係なく、演技力が立証された俳優に配役が殺到している」と語った。かつ、観客が好む俳優の平均年齢が高くなっているのは、このところ映画街で40代以上の観客が増えていることとも無関係ではない。
■主流になった「一人で映画を見る」派
レストランで流行している「ホンパプ(一人〈ホンジャ〉で食事〈パプ〉をする)」に続き、映画館でも「ホンヨン(一人で映画〈ヨンファ〉を見る)」が多数を占めている。「最近一緒に映画を見た人は誰ですか」という設問に「一人」と回答した人の割合は、2013年の時点では8.2%にすぎなかったが、今年は42.4%だった。昨年も、このような回答者が44.5%を占めた。映画やテレビなどエンターテインメント業界でも、「お一人様」の影響力が徐々に広がりつつあることを示す数字だ。CJ CGVによると、昨年、映画館入場券を前売りで「1枚」買った観客は全体の10.1%だった。一人きりの観客が10%を越えたのは、昨年が初めて。昨年12月に統計庁が発表した「韓国の社会動向2015」によると、韓国人(15歳以上)の56.8%は「一人で余暇を楽しむ方が好き」と回答した。07年に同様の調査を行った時と比較すると、およそ13ポイント増えている。
「映画の見るときの、最も好きな方法」として、映画館の人気はむしろ高まった。回答者全体の87.4%が「映画館」を挙げ、07年(61%)の調査より26.4ポイントも増加した。オンラインダウンロードを好むという回答は、07年に比べ半分(13.1%→7.2%)になり、ケーブルテレビの映画チャンネルを好むという回答は7分の1(14.5%→2.2%)にまで急減した。「DVDやビデオ」という回答は、07年の9.6%から1.1%まで減り、存在感がほとんど消えてしまった。IP放送はおよそ1.8%だった。映画館で映画を見ることが習慣になった、と解釈されている。13年以降、映画館の観客は3年連続で2億人を突破し、韓国国民1人あたりの平均映画鑑賞本数は4.2本と世界最高レベルだ。それでも、「映画館の価格引き上げは映画鑑賞に影響するか」という設問には、86.7%が「影響する」と回答した。