21世紀生まれの素晴らしい子役たち

▲写真左上から時計回りに、『哭声』のキム・ファニ、『名探偵ホン・ギルトン:消えた村』のキム・ハナ、『怖い話3:火星から来た少女』のイ・ジェイン、『釜山行き』のキム・スアン/写真=スチールカット
▲ ▲写真左上から時計回りに、『哭声』のキム・ファニ、『名探偵ホン・ギルトン:消えた村』のキム・ハナ、『怖い話3:火星から来た少女』のイ・ジェイン、『釜山行き』のキム・スアン/写真=スチールカット

 目が離せない子役の相次ぐ登場で、スクリーンがますます豊かなものになっている。このところ、大人の俳優顔負けの演技力と役への入り込みで観客を驚かせるローティーンの子役たちが頭角を現わし、視線を引きつけている。21世紀になって生まれた少女たちにスクリーンを託さなければならない時が近づいている。

 観客動員600万人に向けて順調に進んでいる映画『哭声』(ナ・ホンジン監督)のキム・ファニは、ここしばらくで最も多くの観客を驚かせた俳優だ。見知らぬ日本人が現れた後、むごたらしい事件が相次ぎ、大騒ぎになった村の物語を描く同作で、キム・ファニは主人公クァク・トウォンの娘役として登場し、記憶に残る演技を見せた。唐突なところがあるが、かわいい娘。得体の知れない存在につかまってのたうつ少女の姿。さらにはミステリアスな雰囲気までこなし、観客を魅了した。キム・ファニは間違いなく、ファン・ジョンミン、チョン・ウヒ、國村隼と並ぶ『哭声』の主役だ。

 先に公開された『名探偵ホン・ギルトン:消えた村』(チョ・ソンヒ監督)では、2009年生まれのおませな少女、「マルスン」役のキム・ハナが話題になった。人間味などない探偵役のイ・ジェフンと、とぼけたコンビを組む少女マルスンの白々しい演技が、笑いと共感をもたらしたお陰だ。自然で天真らんまんな魅力を撮りたかったチョ・ソンヒ監督は、演技の経験が全くないキム・ハナをキャスティングし、あれこれ脅したりすかしたりして生き生きとした魅力を映画に盛り込んだという。

 先にカンヌ国際映画祭で公開されたヨン・サンホ監督のゾンビ映画『釜山行き』には、06年生まれの俳優キム・スアンが出演した。父親と一緒に釜山行きのKTX(韓国高速鉄道)に乗り込み、ゾンビの襲撃と向き合うことになる少女を演じた。キム・スアンもまた、父親役のコン・ユと共に映画を引っ張るメーンキャスト。既に何本もの短編映画・独立映画を通して演技派の子役として注目されていたキム・スアンは、カンヌ映画祭でもかわいらしい姿で人気をさらっていった。さらに、6月1日公開の映画『怖い話3:火星から来た少女』でもキム・スアンの姿を見ることができる。

 『怖い話3:火星から来た少女』には、もう一人、忘れられない子役がいる。第3編「機械霊」(キム・ゴク監督)に出演したイ・ジェインだ。04年生まれのイ・ジェインは、古くなって故障したという理由で捨てられたロボット「ドゥンコ」を演じた。映画初出演とは信じられないくらい迫真のロボットの演技、ぞっとするほどの集中力で、観客を震え上がらせる。中性的なロボットのキャラクターをうまく表現したせいで、イ・ジェインのことを少年と錯覚した観客も無数にいた。

 パク・チャヌク監督の映画『アガシ』でも、子役を見つけることができる。05年生まれのチョ・ウンヒョンが、「アガシ(令嬢)」キム・ミニの幼年時代を演じた。比重は小さいが、重要な役だ。子どもながら難しい演技をしなければならなかったにもかかわらず、感情をうまく生かした繊細な表情で、パク・チャヌク監督を満足させたという。先にベルリン国際映画祭で注目を集めたユン・ガウン監督の映画『私たち』もまた、子役が物語を引っ張る。12-13歳の子役チェ・スイン、ソル・ヘイン、イ・ソヨンは、少女たちの率直な感情を表現する一方、子どもの目で見た世の中を描き出したという。

キム・ヒョンロク記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース