【ソウル聯合ニュース】韓国の芸能界で子役出身の若手俳優の活躍が目を引く。人気を博した子役ほどそのイメージから脱皮するのは容易でないが、地道に活動を続け、一人の俳優に成長しようとしている。
◇子役出身がドラマ主演
人気ホームコメディドラマ「明日に向かってハイキック」(2009年)でかわいらしい小学生だったチン・ジヒは、このほど放送が終わったドラマ「ペクヒが帰ってきた」(原題、2016年)での安定した演技力が注目を浴びた。「ハイキック」後も活動を続け、今回の作品のような不良役も別の作品でも経験済みだったというが、視聴者にとっては子役のイメージが強く、不良役のチン・ジヒが新鮮だったようだ。
同じ「ハイキック」でヒロインの妹役で共演したソ・シネも大学生になった。新たに芸能事務所と専属契約を結び本格的な活動を控えている。
大ヒットドラマ「太陽を抱く月」(2012年)で主要人物の子ども時代を演じた2人の子役は、主役クラスの女優に成長した。同作品でヒロインの少女時代を演じたキム・ユジョンは、ドラマ「アングリー・マム」(原題、2015年)で成長した姿を見せたのに続き、今年8月から放送予定の時代劇「雲が描いた月の光」(原題)で人気上昇中の俳優パク・ボゴムと初々しい恋模様を描く。キム・ソヒョンは「恋するジェネレーション」(2015年)で青春ドラマの主役に定着、近くケーブルテレビのドラマでもヒロインを務める。
映画「アジョシ」(2010年)で注目されたキム・セロンは、現在ケーブルテレビで放送中のドラマ「魔女宝鑑」(原題、2016年)のヒロインを演じている。
兵役を終えてドラマと映画で活躍する俳優ユ・スンホ、ヨ・ジングはすっかり子役のイメージを脱ぎ捨てた。
◇子役イメージのプレッシャーも
人気子役のプレッシャーに苦しむケースもある。ホームコメディー「順風産婦人科」(1998~2000年)でデビューした女優キム・ソンウンは、同作品の終了後、10代初めで留学した。子役のイメージに押しつぶされ、うつ病を患い自殺未遂を起こしたこともあると後に告白している。
子役出身女優の代表格、ムン・グニョンは昨年のインタビューで、「役者を早く始めすぎたのではないかという後悔に近いことを数え切れないくらい考えた」と明かした。子役も年を重ねていくことを世間が認めるまでには時間がかかるとしている。
子役出身の俳優が所属する芸能事務所の関係者は「幼くして活動を始め知名度があるという利点の一方で、子役時代のイメージが強すぎ成人しても作品の選択に限界を感じる場合もある」と話す。事務所としては子役時代の良いイメージを保ちながら、大人の役者としてイメージチェンジできるキャラクターの模索に重点を置いているという。