パク・チャヌク監督が新作紹介 濡れ場も「解説」

【ソウル聯合ニュース】パク・チャヌク監督は25日、ソウル市内で開かれた新作映画「お嬢さん(アガシ)」(原題)のメディア向け試写会兼記者懇談会に出席し、「カンヌ国際映画祭で賞を取れず、手ぶらで帰ってきたパク・チャヌクです」とあいさつして報道陣を笑わせた。

 「お嬢さん」は22日に閉幕した第69回カンヌ国際映画祭の長編コンペティション部門に出品された。最高賞のパルムドール受賞は逃したものの、世界175カ国・地域に版権が販売され、韓国映画の最多販売記録を更新した。そのためか、パク監督の表情は明るかった。

 「お嬢さん」のほかにも、これまで「オールド・ボーイ」「渇き」がカンヌ国際映画祭に出品されたパク監督。監督としての抱負について「初めは観客がたくさんくれば良いという考えで映画を作ったが、だんだんと観客にずっと記憶される映画を作りたいという希望を抱くようになった」と話した。その上で、「私の作品が100年後に上映されることまでは望まないが、少なくとも10年、20年後の子どもたちの世代が見てくれる映画になってほしい」と胸の内を明かした。

 「お嬢さん」は1930年代の韓国と日本を背景に、巨額の財産を相続することになった貴族のお嬢さん(キム・ミニ)とその財産を狙う伯爵(ハ・ジョンウ)、伯爵と共謀してお嬢さんに仕える少女(キム・テリ)らが繰り広げる話を描いた。サラ・ウォーターズの「荊(いばら)の城」を原作とするが、人物設定や話の展開は大きく異なる。

 懇談会にはパク監督のほか、キム・ミニ、ハ・ジョンウ、キム・テリらも出席した。

 同作で話題を呼んでいるのは、キム・ミニとキム・テリによる女性同士のラブシーンだ。これまでにないキム・ミニの過激な演技と、新鋭女優キム・テリの大胆さは観客の目を強くひきつける。

 パク監督は「2人による情事の場面は互いに対話する形になっている」とした上で、意図について「一般的な欲望の噴出ではなく、互いに対話し心を交わし、気を配る雰囲気を表現したかった」と説明した。

 キム・ミニは、台本が正確に組まれていて、監督が求める映像がはっきりとしていたと振り返った上で、「感情に忠実に従い、うまく表現しようと努力した」と述べた。

 パク監督は「お嬢さん」を自身の作品の中で最も「おとなしい作品」と紹介。「一つの事件を別の目で見た時、全く違う意味となって近づいてくるということに魅力を感じた」とした上で、「真実を知る前と後では、同じ人も全く違うように見えることがある」と語った。

 韓国では来月1日から公開される。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース