日本は韓国マッコリの最大輸出先である。 韓流の影響と相まって、乳酸菌と酵母といった美容に良い物質を持っているマッコリは女性の間で話題になっていた。こういった影響でマッコリは一時期日本の流行語7位までもなったのも事実である。 しかし好調だったマッコリ輸出は日韓関係の悪化や為替の変動などでここ最近低迷が続いている。また価格競争も激しくなり、大企業のマッコリが有利な市場ばかりが形成された。韓国に1000種類もあり、地域文化を含んでいる地マッコリ文化は日本にあまり入れなかった。本当のマッコリがもっているローカル文化は浸透できなかったのである。
こういったことを解決すべく韓国の地マッコリを試飲できる「マッコリ・ポップアップ・ストアー」が東京新大久保にオープンした。名前は「ザー・マッコリギャラリー」。一般の店ではなかなか味わえない韓国地マッコリを試飲できるということで、周りの人はかなりの興味を示している。
オープン式に伴って行われたマッコリ試飲会はこういった地マッコリ文化がまだ日本に入ってないことを証明するイベントだった。参加者は「㈳韓国マッコリ協会」が運営している日本人名誉マッコリソムリエをはじめ、記者、コラムニスト、料理研究家も参加した。日本人名誉マッコリソムリエは韓国で行っている「マッコリソムリエ教室」を修了した人で、日本に1500人もいる。またソウルを中心に東京、福岡に支部会があり、年内に大阪支部もできる予定など活発に活動している。そのメンバーはジャーナリストを含め、料理専門家、旅行専門家、また韓国文化専門家など多彩なメンバー構成を誇っている。今回のイベントはマッコリソムリエのコミュニティ運営を任されている韓国伝統酒ギャラリーの明・ウク副館長が企画した。場所は新大久保にある「にっこりマッコリ」。今回登場したマッコリはすべて韓国から直接持ち込んだ酵母が生きている地方の生マッコリであった。
◆それぞれ違う材料と作り方、バナナーを使ったマッコリも
今回のイベントに登場したマッコリは大統領晩餐種で有名な忠南の唐津市の「白蓮マッコリ」、松の実で有名な加平地域の「加平松の実マッコリ」、韓国伝統の町である安東市の「回谷マッコリ」、大田市の文化を含んだ「大田ブルースマッコリ」、最後にバナナーの味のする「バナナーマッコリ」など、総5種類のマッコリがそれぞれの違う材料と味で個性をアピールした。
「白蓮マッコリ」は韓国の唐津市新米100%で作ったマッコリで、名前通りに白蓮とお米を一緒に醸したマッコリである。さわやかな甘みが特徴だ。「加平松の実マッコリ」は松の実ならではの風味が生きているマッコリである。「回谷マッコリ」は3代に続く伝統方式で作るもので生マッコリの風味がとてもよく生きている。「大田ブルースマッコリ」は既存のマッコリの渋さをすっきりした味に改善、気持ち良いのど越しがとても魅力的だ。「バナナーマッコリ」はバナナー風味をいれたマッコリで、韓国だけではなく、海外でもっと人気のある製品である。
◆なかなか日本では味わえないマッコリに参加者皆がファンになった時間
試飲会はそれぞれのマッコリに対して官能評価で行われた。味、香り、色などの項目に分けられて行われた方式で30人の参加者は味と香りを評価するなど真剣に取り組んだ。マッコリの説明は 日本での留学経験も伝統酒ギャラリーの副館長の明・ウク氏が担当した。
韓国フードコラムニスト八田靖史氏は初めて飲んだマッコリが多く、とても楽しい経験だったと伝えながら、新鮮で爽やか、また適切に甘い味は日本の料理と良く合うと話した。
マッコリソムリエ東京支部の顧問である桜井むつこ氏は今まで日本ではなかなか韓国地マッコリを味わう場所がなかったのに今回の「ザー・マッコリギャラリー」を通して体験できるのはとてもうれしい話であると、今後こういったマッコリが韓国に1000種類もあるという話を伝えていきたいと話した。
試飲会を主催した「㈳韓国マッコリ協会」朴・ソンギ会長はマッコリは度数の低い負担の少ないお酒でありながら韓国文化そのものを含んでいると、また料理にも合わせやすいので、日本人の食卓にも良く合うし、 こういったことを含め日本での地マッコリの販売先も開拓し、より日本の消費者が簡単に購買できるようにしたいと伝えた。