お茶の間でママ女優パワーが吹き荒れている。
女優にとって、結婚はキャリアアップに不利だった時代があった。最近は反対だ。30-40代を前面にした作品が増えているため、その年齢層の女優の株も上がっている。確かな演技力、20代に引けを取らない美貌、エレガントさまで兼ね備えている。ホームドラマばかりだった以前とは異なり、アクションなどジャンルも多様化した。中高年層がチャンネル権を握る週末ドラマは、ママ女優たちの戦場といっても過言ではない。
■夫と同じぐらい売れっ子のソ・ユジン
女優ソ・ユジンが“女優”としてのアイデンティティーを一気に取り戻した。ある瞬間から“ペク・ジョンウォンの奥さん”と呼ばれていたが、新週末ドラマ『子どもが5人』(KBS第2)の人気を牽引している。同作では、子ども3人を育てるシングルマザー、アン・ミジョンを演じている。家では母親、職場では不憫なキャリアウーマンだ。2月28日の放送で、自己最高視聴率27.1%(ニールセンコリア調べ)を記録し、勢いに乗っているという分析だ。
ソ・ユジンのリアルな母親の演技が、お茶の間を笑わせたり泣かせたりしている。彼女は実際にペク・ジョンウォンとの間に、子ども2人をもうけているが、出産と育児を経験したため、役作りをしやすくなった。彼女は「子どもを育てているので、母親の気持ちが理解できる。困難な状況に置かれたキャラクターや、明るいパワーで切り抜けていく姿をお見せしたい」と意気込んだ。
■アクションも彼女らしく、キム・ソンリョン
女優キム・ソンリョンが銃を握った。3月5日にスタートした週末ドラマ『ミセス・コップ2』(SBS)で、女刑事コ・ユンジョンを演じている。ミスコリア出身で、エレガントな女性の代名詞だったが、今回は“おばさん”らしい、タフさで勝負する。刑事捜査劇となるだけに、派手なアクションシーンもふんだんに含まれている。
『ミセス・コップ2』は、キム・ヒエが出演した『ミセス・コップ』シリーズの2作目。ケーブルではなく、地上波ドラマがシリーズ制を導入したのは今回が初めてとなる。キム・ヒエは化粧っ気のない顔で登場し、孤軍奮闘したが、キム・ソンリョンは華やかな容姿で、視聴者をくぎ付けにする予定。ドラマの雰囲気もユーモラスさをプラスし、前作とは差別化した。
キム・ソンリョンは「女刑事の固定観念を破りたい。その代表的なものとしては、スニーカーではなく、ハイヒールを履いた姿。中性的な部分や、ワイルドな面を強調するのではなく、女性らしい美しさを生かすようにしたい」と紹介した。さらに元夫との葛藤、働くママとしての息子への切ない気持ちなども物語に盛り込まれる。
演出を手掛けるユ・インシク監督は「前作より、より楽しく活気に満ちた、痛快な捜査ドラマになるだろう」と自信を示した。
■「復讐の化身」チョン・インファ
チョン・インファは終了した週末ドラマ『私の娘、クム・サウォル』(MBC)を通じて、新しいニックネームを得た。役名から名付けられた「ゴッド・ドゥゲ」だ。チョン・インファはクム・サウォル(ペク・ジニ)の実母シン・ドゥゲ役を演じた。両親を死へと追いやり、会社まで奪った極悪非道な夫カン・マヌ(ソン・チャンミン)への復讐(ふくしゅう)で、痛快さをもたらし、復讐の化身としてドラマ全体を盛り上げた。同ドラマが最高視聴率34.1%を記録するほどヒットしたのは、彼女の功績が大きかった。この作品で、「MBC演技大賞」の最優秀演技賞を受賞した。
チョン・インファはドラマが終了した後、イーデイリー・スターinの取材に応じ、「『私の娘、クム・サウォル』を通じて、たくさん愛されたし、賞までいただいた。演じるのが大変なシーンが多かったが、無事に終えることができてよかった。“ゴッドドゥゲ”という新造語は、娘が教えてくれて知った。視聴者には感謝しかない」と伝えた。