俳優パク・ポゴムも逃れられなかった連帯保証の罠

15歳のとき父親の借金の連帯保証人に
2014年末に自己破産申請、昨年9月に破産手続き終了

俳優パク・ポゴムも逃れられなかった連帯保証の罠

 2008年、俳優のパク・ポゴムさん(22)=写真=が15歳だったとき、事業をしていた彼の父親はある貸金業者から3億ウォン(現在のレートで約2800万円、以下同じ)を借りた。父親は未成年者だった息子を連帯保証人として立てた。だが、事業がうまくいかなかったため借金を返済できず、3億ウォンの元金は利子が積み重なり14年には8億ウォン(約7400万円)に膨れ上がった。業者は、俳優として経済活動をしているパクさんに連帯保証人として借金を肩代わりするよう要求。パクさんが「返せる状況にない」と拒むと、14年末に訴訟を起こした。

 パクさんは訴訟で、連帯保証人になったときは未成年の中学生で、父親が借金をしたことも、自分を保証人に立てたことも知らなかったとし、「連帯保証の責任はない」と訴えたとされる。裁判所は双方に和解を勧告し、パクさんが父親の債務の一部を返して残りを帳消しにする和解案を提示した。

 だがパクさんはこれを受け入れず、14年12月、ソウル中央地裁に自己破産・免責申請を提出。所得に比して借金が多すぎ、とても返済できないため、債務の大半を帳消しにしてほしいと求めたのだ。当時、パクさんは複数の映画やドラマに助演として出演していたが、まだ無名の俳優だった。

 裁判所は昨年3月、パクさんの申請を受け入れ破産手続きの開始を決定し、パクさんの借金をどれだけ帳消しにすべきかを調査する免責審査を行った。貸金業者は「芸能人のパクさんは借金返済能力が十分にある」と主張したが、裁判所はパクさんの所得を調べた上で、3000万ウォン(約280万円)のみ返済して残りの債務は帳消しにするという仲裁案を提示した。借金のほとんどを免責とする案だった。最終的に貸金業者はこれを受け入れ、パクさんの破産手続きは昨年9月に全て終了した。彼をスターに押し上げたドラマ『応答せよ1988』が撮影の真っただ中だったころだ。

 破産手続きが終了するまでは「破産者」に分類され、就職などでさまざまな不利益を受けるが、手続きが終わればこうした制約はなくなる。現在、パクさんは身分上、何も問題がない状態だ。パクさんは「父親の借金を背負い込んだ、連帯保証制度の典型的な被害者」(ソウル中央地裁関係者)だった。

 韓国政府は13年、個人に対する連帯保証制度を廃止した。だが、廃止前に連帯保証人になった人には依然として債務の返済義務が残っている。

 パクさんは11年に映画『ブラインド』でデビュー。昨年11月から今年1月まで韓国で放送された『応答せよ1988』で天才囲碁棋士を演じ、大きな人気を集めた。

チョ・ベッコン記者
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