先月から、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にあらゆる種類の“ファン・ジョンミン”が出現し始めた。くるくるパーマのおばさんファン・ジョンミン、ショートヘアの女子学生ファン・ジョンミン、ハゲおじさんファン・ジョンミン…。『ヒマラヤ』のチラシのファン・ジョンミンの顔をお面のように活用し、まるで自分の顔のように写真を撮ってアップする、別名“ファン・ジョンミン遊び”だ。この遊びのポイントは、誰の顔にファン・ジョンミンの顔をはめ込んでも、全く違和感がないということ。このような顔を持つファン・ジョンミンが、この1年間、主演を務めた作品で動員した観客数は3000万人を超える。彼はこの時代の顔になった。
ファン・ジョンミンがこの5年間、主演した映画は9作。累計観客数は4736万人だ。年平均1.8作で、1作当たりの平均は526万人。ファン・ジョンミンはコンスタントに映画に出演し、観客は彼の出演作をこつこつと観たというわけだ。5年間の累計観客数のうち、3400万人以上は『国際市場で逢いましょう』『ベテラン』『ヒマラヤ』で動員された。
“ファン・ジョンミン遊び”が流行したのは、世間が自分の仮面としてファン・ジョンミンの顔を好んで受け入れたからだ。それぐらい抵抗がなく、気楽に感じる。『国際市場で逢いましょう』で、韓国現代史をそのまま経験した男性の典型としてファン・ジョンミンが選ばれたのも、そういう理由だ。『浮気な家族』で俗物的な弁護士、『フィスト・オブ・レジェンド』でわが子のため、再起しようとする家長を演じたときなど、彼は韓国のある集団や階層の姿を自由自在に演じきった。
『国際市場で逢いましょう』を演出し、『ヒマラヤ』を制作したユン・ジェギュン監督は「まずは誰もが兄、おじ、息子と思えるほど老若男女が親しみやすく、気兼ねなく受け入れられる。ファン・ジョンミンの顔には善悪が共存する。だから平凡にも見えるし、世間が彼の演技にも深く入り込める」と語った。