インタビュー:カン・ジュウン「これもすべて変わり者チェ・ミンスのおかげ」

落第息子に怒鳴らず話し合い
結婚は私の人生最大の衝撃
夫との考え方の違い埋めようと漫画描いたことも
「夫に『あんた』というのは『この世でかけがえのない友達』という意味」

▲「ユソンのパパと暮らすようになって、汚い言葉を言うことも増えました。あの人と結婚しなかったら一生『優等生』だったでしょうに…。神様が私に『いろいろ経験しなさい』とユソンのパパに合わせてくださったのだと思います」。冗談のような言葉だが、これがカン・ジュウンの本心なのだ。(写真=ナム・ガンホ記者)
▲ ▲「ユソンのパパと暮らすようになって、汚い言葉を言うことも増えました。あの人と結婚しなかったら一生『優等生』だったでしょうに…。神様が私に『いろいろ経験しなさい』とユソンのパパに合わせてくださったのだと思います」。冗談のような言葉だが、これがカン・ジュウンの本心なのだ。(写真=ナム・ガンホ記者)

 総合編成チャンネル「テレビ朝鮮」のバラエティー番組『母親って何だ』で「カリスマ・ママ」と人気沸騰中の元ミスコリア、カン・ジュウン(44)に会いに行く途中、インターネットで書き込みを見ていて、思わず噴き出してしまった。共感の書き込みだけでも555件ある。俳優チェ・ミンスについて回る「トラブルメーカー」というイメージがそれほど強いのだ。ところが、この「トラブルメーカー」の天敵は妻だった。「あんたが私の優しくれおだやかなところを全部持って行ったんじゃない」「まずいなら食べないで、あんたが食べた物がもったいない」…。遠慮なく毒のある言葉を吐く妻に、さすがのチェ・ミンスも固まってしまう。世の主婦たちは「私が夫に言いたいことを言ってくれた! あースッキリした」と歓喜している。

 「カン・ジュウン式子育て法」も注目を浴びている。ハッキリ言って落ちこぼれの息子だが、成績表を前にして、怒鳴るのではなく話し合おうとする。14歳という思春期真っただ中の次男ユジンはひたすらおとなしい羊のようになる。彼女の「夫・子ども操縦法」が気になる。先月27日にソウル市瑞草区内のカフェで彼女に会った。

 「ふう。それはすべて普通じゃない『ユソンのパパ』(チェ・ミンスのこと)と暮らしながら習得した知恵です」。大きな口が大きく開いた。ため息はついたが目は笑っている。「まあ、子育ての話をするなら、新婚時代の話からしなければならないでしょう。私の結婚は人生最大の『衝撃』だったんです」

 カン・ジュウンはカナダのトロントで韓国からの移民一家の一人娘として生まれ、両親にたっぷり愛されて育った。父親は化学者、母親はサムスン電子カナダ法人のトップだった。生活が苦しくて移民したわけではなかったので、韓国出身者のコミュニティーとあまり交流がなかった。ミスコリア大会に出場したのがきっかけでチェ・ミンスと知り合い、のちに結婚した。

 「住む国を変えました。言葉は通じず、文化の違いも大きかったです」。クリスマスのことだ。クリスマスには両親とテーブルを囲んで心温まる話をしたものだ。だが、現実は違った。「私、寂しい」「え? 『我がいとしのジュウン』が寂しい思いをするなんてダメだ」。夫はすぐに後輩たちに電話した。「みんな、うちの嫁が寂しがっている。プレゼントを1つずつ持ってソウル・明洞のナイトクラブに集合!」…。「クリスマスにナイトクラブだなんて。気持ちはありがたいけど、あんなに悲しかった日はありません。人生がすっかり変わってしまったと思いました」。その瞬間、彼女の目には涙が浮かんだ。

 結婚して3年で、40年間分の夫婦ゲンカを全部したような気がするという。「話が通じないので、夫婦ゲンカをした後は漫画を描きました。つづりが間違っている韓国語を吹き出しに入れて、夫の枕の上に置いたんです。寝ていると、夫が泣きながら私を起こすんです。『本当に悪かった』って」。夫と別れる道もあっただろうに…。「ユソンのパパは自分の両親と一緒に暮らせなかった子どものころの傷を抱えています。私を見る目が言っていました。『ジュウン、オレのそばを離れないでくれ』って。信じていることを見せてあげたいと思いました」。

 夫を「あんた」と呼ぶ姿が放送されるのは韓国人の一般的な感情にそぐわないと指摘する声もある。「『あんた』は英語なら『you』だと思います。下に見て言っているのではなくて、あなたと私はこの世にまたとない最高の友達だと思って言っているのです。ユソンのパパは純真で、私のことを本当に愛しています。いまだに私のことを食い入るように見て『おまえはオレのものだろ?』と聞きます」と言った。

 子育ての第1原則は自分を信じられる子どもに育てること。「人生ではいくら計画をちゃんと立ててもしょうがないことがあると結婚してから気付きました。予期しない状況を耐え抜くには自らを信じる力がいります。だから、子どもが自ら学び、結果について責任を取るよう教育しています」。子どもに話しているもう一つの原則は「他人をむやみに評価せず、自身の最善を尽くすこと」だ。「ユソンのパパが変わり者だということは私たちも分かっています。でも、みんなに『おかしなヤツだ』と言われても、私たち家族はユソンのパパのことを信じています。彼なりの原則も知っていますし。他人が(チェ・ミンスのことをあれこれ)評価して受ける傷を私たちがそのまま返すわけにはいかないじゃないですか」。

 カン・ジュウンは「うちの家族の今があるのは奇跡」と言った。「先日、カナダの大学に通う長男ユソンが『自分は結婚できそうにない』って。私がいくら普通じゃないことを普通にするよう頑張っても、ダメなものはダメなんだなって思いました。ところが、子どもに理由を聞いたら『お父さんとお母さんのような理想の夫婦はほかにはいないと思って」って。私、(子育てに)成功したんでしょうか?(笑)」。

インタビュー:カン・ジュウン「これもすべて変わり者チェ・ミンスのおかげ」

キム・ミリ記者
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