自然もグルメを楽しめる統営・欲知島

 島内を1周するドライブコース、海が見える登山コース、吊り橋と展望が目玉の休憩所…。今年行政自治部(省に相当)と韓国観光公社が「遊べる島」に選定した欲知島(慶尚南道統営市)を代表する観光コースだ。

 統営から船で1時間ほどのところにある、およそ1000世帯が暮らす欲知島はあまり知られておらず、夏以外のシーズンはのんびり旅を楽しむことができる。いつ行っても見どころたっぷりの欲知島を紹介しよう。

サムドク港から見える欲知島行きの船。ここからは2社が欲知島行きの船を運航している。
▲ サムドク港から見える欲知島行きの船。ここからは2社が欲知島行きの船を運航している。

 欲知島は閑麗水道の端に散らばる39の島からなる欲知面にある。統営旅客ターミナルかサムドク港から船が出ている。大衆交通を利用する場合は統営旅客ターミナル、車があるならより早く到着できるサムドク港がオススメだ。欲知島を行き来するのは、統営のほかのどの島よりも便利だ。

欲知島の南東の丘から見た欲知面の風景。
▲ 欲知島の南東の丘から見た欲知面の風景。

 欲知とは、「知りたいんだ」という意味を持つ。しかし、正確な解釈は伝わっていないという、この島は湖のようにゆったりと流れる閑麗水道の流れ、さまざまな岩があることから、磯釣りの名所としても知られる。特に徳洞海水浴場は、珍しい砂利の浜辺で人気が高い。また、ここは登山や釣り、海水浴などを楽しめるため、いつ訪れてもいい場所だ。

マンデ峰近くの登山道から見える欲知島の全景。
▲ マンデ峰近くの登山道から見える欲知島の全景。

 欲知島での登山は、一般的な登山とは異なり、大きな海、海岸の絶景を眺められるのが特徴。埠頭を出発し、ヤポまでおよそ3キロの海岸道路は漁村の風景を楽しめる区間で、舗装された道路が終わると本格的な登山が始まる。このコースは全長約12キロ、所要時間はおよそ4時間30分で、途中にいくつか下山できる道があり、時間に合わせてコースを選ぶことができる。

欲知島を代表する名所、吊り橋。
▲ 欲知島を代表する名所、吊り橋。

 欲知島の南西にある吊り橋は代表的な観光名所。丘の休憩所の案内表示を過ぎて少し下がると、海や岩、空を背景に吊り橋が目に入ってくる。ここを渡るには、少し度胸が必要だ。足を1歩前に出すたびに橋が揺れるからだ。強い風が吹くとドキッとするかもしれないので、十分覚悟して渡ろう。

吊り橋から見える峡谷。
▲ 吊り橋から見える峡谷。

 ここでは記念撮影をする人が多い。前後に並んで取ったり、度胸がある人はわざと橋を揺らして怖がる仲間たちの姿をカメラに収めたりする。

吊り橋を過ぎると目に入ってくる欲知島の風景。
▲ 吊り橋を過ぎると目に入ってくる欲知島の風景。

 橋を過ぎ、大きな岩に上がったら、青い海とともに美しい欲知島の景色を眺めることができる。ここで波の音を聞きながら少し休んでいくのもよい。

新千年記念公園の記念碑(左)と欲知面聖堂(右)。
▲ 新千年記念公園の記念碑(左)と欲知面聖堂(右)。

 そのほか、欲知島1周道路の方には新千年記念公園がある、ここでは毎年1月1日、地域の住民や観光客が集まり祭りを開催。水平線から昇る太陽を見られる絶景ポイントだ。また、旅客船ターミナルがあるエリアでは、美しいタイルで飾られた聖堂が観光客の目を引く。路地のあちこちに数十年前の欲知島の様子が収められた写真が飾られており、ゆっくり鑑賞しながら歩いていると、いつの間にか町内を1周してしまう。

欲知島の特産品「欲知サツマイモ」。
▲ 欲知島の特産品「欲知サツマイモ」。

 欲知島にはほかの島と同様、刺し身店が多い。特にサバの刺し身が名物だ。サバの刺し身を食べるためにここを訪れる人も多いというから、海辺の刺し身店にぜひ立ち寄ってみよう。また、ここにはチャンポンがおいしい店も多く、特産物のサツマイモも有名だ。島民の説明によると、欲知島全域の土が黄土からなり、畑には傾斜があって、日光をしっかり浴びるため、おいしいサツマイモができるのだという。

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