京畿道水原市の遺跡「華城」は東洋の城郭建築物の中で最も美しくて科学的だと評価され、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。特に今ごろの季節は紅葉がきれいに色づき、華城の城壁沿いの道を散歩するのに絶好だ。城壁沿いに歩く「華城の秋を満喫する旅」に出発しよう!
華城への入り口は1カ所ではない。一般的にはバスを利用して南の八達門か北の長安門、または国弓体験場がある練武台側へ向かう。どこから見て回っても景観がすばらしいのが華城だが、中でも最も美しいスポットを挙げるなら竜淵だろう。
竜淵は周辺の景観をいっそうすばらしくするため作られた人工池だ。竜淵の回りを歩くと、静かな池の中央にぽつんと立つ松と、それを取り囲むハスの花が一幅の絵のようだ。
竜淵を過ぎて練武台に向かっていくと、観光列車「華城列車」の乗り場に行き当たる。この列車で反対側の八達門まで行く途中、最初に目に見えるのが「正祖大王像」だ。華城は朝鮮第22代国王・正祖が父を思う気持ちから作った。正祖の計画は、父・荘献世子(思悼世子)の墓を水原の花山(現在の隆健陵内の隆陵)に移し、華城を漢陽に次ぐ都市にすることだった。突然の死でとうとうその夢はかなわなかったが、華城のあちこちに父に対する息子の思いが込められている。
長安門から八達門に向かって歩いていくと、城壁沿いの道の下に華城行宮跡が見える。遠くから見てもなだらかな瓦屋根のラインと丹青(青・赤・黄色・白・黒で文様を施す塗装)の調和が美しい。華城行宮は王が滞在する一時的な住まいで、豪華ではないが素朴な趣がある。朝鮮王朝時代に建てられた行宮の中でも最も規模が大きくて美しく、児童・生徒の校外学習の場としても人気だ。
華城行宮ではさまざまな伝統文化体験も行われている。大ヒットドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』のロケ地というだけあって、ヒロイン・チャングムの衣装を着たり、記念スタンプを押したり、願いがかなう木に願掛けをしたりできる。
華城の魅力を知れば知るほど、華城についてもっと詳しく知りたくなる。そんなときは行宮の隣にある水原華城博物館へどうぞ。ここでは華城のいろいろな情報や資料を見ることができる。現在、1階の企画展示室では正祖大王特別企画展「正祖、8日間の水原行幸」が行われているので、興味のある方はぜひ見学を。展示室で案内を希望する方は当日申し込めばOK。時間は1回30分-50分ほどだ。
来年は華城築城220周年に当たる。水原市はこの記念となる年を「水原華城訪問の年」に指定した。来年1月には水原華城が観光特区に指定されるとともに、「水原華城訪問の年」開会式が盛大に行われる予定だ。