【記者手帳】IU交際発覚、暴言であふれるSNS

【記者手帳】IU交際発覚、暴言であふれるSNS

 「IU、気は確かなの?」

 フェミニストを自称する女性誌編集長が8日、簡易投稿サイト「ツイッター」の自身のアカウントにアップした言葉だ。人気女性歌手IU(アイユー、22)がロックバンドバンド「チャン・ギハと顔たち」のリーダー、チャン・ギハ(33)と交際していると報じられた直後だった。編集長はIUのように若くてかわいい女性歌手が、彼女の「おじさんファン」と同年代のチャン・ギハと付き合うのを見たくないとした上で、「(IUのように)若くて美しい女性は、同じように若くてイケメンの男性と交際してほしい」とまで書いた。

 それでも、このツイートはまだましな方だ。この日、チャン・ギハとIUの名前で検索してヒットするソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の書き込みのほとんどは非難や悪口、性的なジョークだった。IUのファンたちは「なぜチャン・ギハのような無名の歌手と付き合うんだ」「格が合わない」と騒いだ。チャン・ギハのファンは「高卒のIUがソウル大卒のチャン・ギハと付き合うなんて、玉のこしを狙っているんじゃないの」と張り合った。IUの交際歴を持ち出して露骨な言葉でののしる人もいた。当本人のIUはファンサイトに「よくけんかしたり、さびしがったり、ありがたいと思ったりする普通の恋をしています」「先に(自分から交際について)話せなくてごめんなさい」と潔く謝罪した。批判すべき人が批判されるべき人々に謝罪した形だ。

 同じ日、米国では24歳のウェイトレスと2人の消防士の話がニュースになった。この女性が、レストランに来た消防士たちに「いつも苦労していることに感謝して」自費で食事をおごったのがきっかけだった。消防士たちがこの出来事をSNSにアップすると、その女性が実は経済的に困っていることが自然と知られるようになり、支援をしたいという人々が集まった。SNSというのは本来、こういう場所だ。数多くの人々が良い行いのために力を合わせられるようにする公的な空間なのだ。

 例の「自称フェミニスト」は批判を浴びると、「他人の恋愛をとやかく言うのはおかしいとみんな言うが、もともとツイッターはそういう私的なおしゃべりの場ではないか」と弁明した。IUとチャン・ギハの交際にありとあらゆる中傷を浴びせた人々も同じような考えを持っているのだろう。もちろん、ツイッターにも私的な性格を持つ部分がある。しかし、他人の恋愛に中傷を浴びせておきながら、私的なおしゃべりを言い訳に逃げるような空間ではない。そんな人々に聞かせたいアレックス・ファーガソン元マンチェスター・ユナイテッド監督の喝を贈ろう。「ツイッターは人生の無駄だ」

文化部=権承俊(クォン・スンジュン)記者
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