「将来、誰でも有名人になれるチャンスが到来するだろう」
「ポップアートの旗手」アンディ・ウォーホルがそう語った将来の到来だ。「大図書館」「シンニム」「ヤンティン」「クククル」…。最近10-20代の若者の間で「スーパースター」となっている、通称「インターネットBJ(放送進行者、いわゆるユーチューバー=個人で動画をネット公開し広告収入を得る人)」たちだ。彼らはアイドルでもないのに数万-数十万人のファンを抱えている。部屋の中でパソコンやスマートフォンにより動画・ネット放送コンテンツを作り、ネット上にアップロードしている。こうした「個人動画・ネット放送」コンテンツは、チャンネル登録者数だけで500万人を超えると言われている。
「泣くな、こいつ!」。8月28日、美容やファッションなどをテーマに「個人動画」を作成しているBJ「シンニム」(本名:パク・スヘ、24)のサイン会に来たイ・ジョンヒョンさん(11)は、シンニムと握手した瞬間、泣き崩れた。アイドル歌手のファンミーティング会場とまったく同じ光景だ。この日、ソウル市内の東大門デザインプラザで行われた人気BJサイン会&ファンミーティングは、その人気ぶりを証明する場となった。動画共有サイト「ユーチューブ」の主催で開催されたこのイベントには、シンニムのほかギタリストのチョン・ソンハ、ゲームBJのドティなど、さまざまな分野の人気BJが出席。釜山をはじめ韓国各地から集まった10-20代の若者数千人は、BJにサインをもらおうと数時間も行列した。慶尚南道居昌郡から来たチャン・ボラさん(12)は「うちのクラスの半分が個人動画や個人ネット放送をよく見ている」と語った。BJが特別公演をするファンミーティングは、1万ウォン(約1000円)のチケット1000枚が一日で売り切れた。
これらの人気の理由は、完成度の高さではない。「むしろファンの方が『コンテンツのクオリティーを高くしすぎないで』と頼んでくる」。20代の友達同士で動画作成やネット放送をしている「クククル」は「アツアツのおでん早食い」「パンツはいたままおしっこ」など、ふざけ半分の企画を行う様子をアップしている。これらの動画には「私もあんなバカなことしてみたい」「(人気バラエティー番組)『無限挑戦』よりもバカすぎて笑える」などのコメントが書き込まれている。