登山と森林浴を楽しめる慶南・蓮花山

 慶尚南道には加智山道立公園と蓮花山道立公園がある。このうち、固城郡にあるなだらかな蓮花山は、初心者にも登りやすい。また、うっそうとした森に入ると、まるで別の世界に来たような感じがする。

 登山しながら森林浴を楽しめる、蓮花山に出掛けてみよう。

蓮花山のヒノキ群落。蓮花山はうっそうと茂った森で知られる。
▲ 蓮花山のヒノキ群落。蓮花山はうっそうと茂った森で知られる。

 蓮花山登山のポイントは、山がなだらかで周辺に古刹や文化財があるということ。そのため1983年、道立公園に指定された。しかし、主な観光地や国道から離れた蓮花山は、あまり知られていない。参考までに、蓮花山という名前は、山の形がまるで花びらが重なり合ったように見えることから付けられた。

 三つの峰からなるこの山には、頂上(528メートル)まで五つの登山コースがある。そのうち、玉泉寺から始まり、青蓮庵、 ヒノキの森、蓮花山、南山、コウノトリ峠を経て玉泉寺に戻ってくる、所要時間2時間のコースが最も楽だ。案内板がきちんと設置されており、一本道のため、特に説明がなくても歩きやすい。

蓮花山登山中に見られる景色。蓮花山はうっそうとした森のため眺望は期待できないが、森林浴を楽しめる。
▲ 蓮花山登山中に見られる景色。蓮花山はうっそうとした森のため眺望は期待できないが、森林浴を楽しめる。

 玉泉寺を出発し、道沿いに登っていくと、広い舗装道路が現れる。この道に沿って山に入ると、別世界が広がっている。それがヒノキ群落だ。日光が届かないほどうっそうと茂ったヒノキ群落は、森林浴を楽しむのにピッタリ。また、縁台やベンチがあるので、休憩するのにもちょうどいい。

 森林浴を楽しみながら進んでいくと、蓮花山と南山の分かれ道に出る。まずは蓮花山方面に向かうとよい。道沿いに蓮花山の中腹まで行くと、目の前に竹林が広がる。竹の間から差し込む日の光が、ヒノキ群落とは異なる風景を成している。

蓮花山はきちんと案内板が設置されており、道に迷いにくい。
▲ 蓮花山はきちんと案内板が設置されており、道に迷いにくい。

 蓮花山の頂上で景色を満喫したら、次のコースである南山に向かおう。南山は標高427メートルで、蓮花山と登山コースがつながっている。参考までに、南山は蓮花山に比べて傾斜がある。

 南山では自然の神秘が存する岩が目につく。頂上から100メートルほど下の絶壁には、大きな堆積岩がある。この岩の表面には、時間の流れが分かるほど、はっきりと層が見られる。その上、岩の上部からは蓮花山や堂項浦の姿を眺めることができる。

岩の上から眺めた景色。ここから蓮花山や堂項浦の姿を見ることができる。
▲ 岩の上から眺めた景色。ここから蓮花山や堂項浦の姿を見ることができる。

 南山登山も終えたら、スタート地点の玉泉寺へ戻ろう。蓮花山登山のスタート地点であり、ゴール地点でもある玉泉寺は、境内においしい水がわき出る泉があるとして、その名が付けられた。また、玉泉寺は新羅の僧・義湘が仏法について教えるため676年に建立した古刹として有名。

蓮花山の入り口にある玉泉寺は、新羅時代に建立されたもので、内部には120点余りの有形文化財がある。
▲ 蓮花山の入り口にある玉泉寺は、新羅時代に建立されたもので、内部には120点余りの有形文化財がある。

 玉泉寺の内部には120点余りの有形文化財があり、慶尚南道地域の昔の姿を垣間見ることができる。玉泉寺付近には青蓮庵、白蓮庵があり、これらは蓮花山と調和を成している。特に青蓮庵から眺める蓮花山の姿は美しく、ここで旅を終えるのがオススメだ。

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