韓国の女優たち、映画界での寿命は?

韓国の女優たち、映画界での寿命は?

 恋人が殺人犯という飲み屋の女主人キム・ヘギョン(チョン・ドヨン)が氷を口に入れ、ガリガリかみ砕く場面を見ただけでもぞっとする。5月28日公開の映画『無頼漢』でチョン・ドヨンは、見事な演技を繰り広げた。チョン・ドヨンは撮影中、監督に「こんなひどい沼に突き落としておいて、あなたはどうして入ってこないの」としかりつけたという。オ・スンウク監督は語る。「映画監督はチョン・ドヨンを食い物にする悪党たちだ」

 キム・ヘスは映画『チャイナタウン』で血まみれになって帰ってきた。キム・ヘスが演じたのは、裏社会を牛耳るボス。『観相師-かんそうし-』(2013)で演じた妖艶な妓生(キーセン=芸妓)の姿は跡形もなく、表情だけでも存在感がすごい。

 キム・ヘス、チョン・ドヨン、キム・ハヌル、ハ・ジウォン、イム・スジョン、ソン・イェジン、ハン・ヒョジュ、チョン・ジヒョン、パク・ボヨン…。韓国映画界を代表する女優たちの名前を生まれた順に並べると10本の指に入るだろう。女優たちは大抵、ラブストーリーやロマンチックコメディーでスタートするが、20代後半くらいになると、人生の岐路に立つ。ほかのジャンルへの冒険か、ドラマか、あるいはCMモデルか。女優の寿命に対する質問のようでもある。

■映画の華?

 「映画の華」と呼ばれる女優たちは、早ければ20代後半、遅くても30代前半に壁にぶち当たる。シナリオは若々しい女優たちのもとにあふれ、「年を取った」女優たちには無常だ。慣れ親しんだ場所を離れ、不慣れなジャンルに飛び込まなければ、仕事は減り、生き残るのが難しい。映画評論家カン・ユジョン氏は「女優が主導的な役割を果たすシナリオは多くなく、一方でそれに耐え得る女優がいなければ、そんな映画は出てこない。キム・ヘスとチョン・ドヨンは50-60代までいくだろうが、次の世代はオーラが物足りないので心配」と語った。

 イメージをCMに合わせ、きれいな役ばかり演じる女優がいる。広告主側に立てば立つほど、演技者としては寿命が短くなる。ある映画配給会社の関係者は「広告市場と女優は密接に絡み合っている。冒険を選び危険をおかすという点で、キム・ヘスとチョン・ドヨンは商業性を離れ、パワーのある女優」と話している。

 上り坂があれば下り坂もある。観客が信頼して作品を見られる女優に挙げられるハ・ジウォンは『朝鮮美女三銃士』(2014)、『許三観売血記』(2015)で相次ぎ観客100万人を集められず、人気が下降気味。『王になった男』(2012、観客1232万人)、『監視者たち』(2013、観客550万人)のハン・ヒョジュは今年『セ・シ・ボン』(観客171万人)が不振だった。キム・ハヌルは『ブラインド』(2011、観客236万人)以降、しばらく映画に出演していない。

朴敦圭(パク・トンギュ)記者
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