韓国の地上波ドラマ、主人公に相次ぎ新人抜擢

イ・ソンギョン、アン・ジェヒョン、チェ・スビンらデビュー1年余りの新人が主演
「キャリアよりイメージを考慮」

▲『女王の花』のイ・ソンギョン、『ブラッド』のアン・ジェヒョン、『青い鳥の家』のチェ・スビン(左から)。/写真提供=MBC、KBS
▲ ▲『女王の花』のイ・ソンギョン、『ブラッド』のアン・ジェヒョン、『青い鳥の家』のチェ・スビン(左から)。/写真提供=MBC、KBS

 「最初は話を聞いても信じられなかった」。新週末ドラマ『女王の花』(MBC)で主人公に起用された女優イ・ソンギョンは3月10日、こう語った。昨年女優デビューし、今回が2作目となる。視聴率20-30%が保証される時間帯なので、本人ですら「主演に選ばれはしたが、当然途中で変わると思っていた」と話すほど、異例の抜擢だった。

 地上波ドラマでは、キャリア1年余りの新人が主演の座をつかむ驚きの事態が続いている。イ・ソンギョンだけでなく、週末ドラマ『青い鳥の家』(KBS第2)は昨年デビューしたチェ・スビンが、月火ドラマ『ブラッド』(KBS第2)も昨年本格的に俳優の道を歩み始めたアン・ジェヒョンが主演を務める。

 キャリアよりイメージだ。『女王の花』のイ・デヨン監督は「経験不足の懸念があったが、演技者本来の性格と役どころがとても似ているので、上手く演じ切れるだろうと判断した」と述べた。『青い鳥の家』のチ・ビョンヒョン監督も「CMなどでの明るいイメージが役とピッタリだった」と語った。卓越した演技力より、役のイメージと一致しているかどうかを考慮したということだ。イ・ソンギョンもチェ・スビンも、漫画『キャンディ・キャンディ』の主人公キャンディのような明るい役を演じる。イ監督は「20代前半の女性を演じられる女優が不足しており、有名女優の場合は新鮮な感じを与えるのが難しく、冒険をすることになった」と打ち明けた。

 しかし、主演は当然、トップスターにだけ任せる「スター・マーケティング」を再考しなければならない、という声も出ている。ドラマ評論家ユン・ソクチン氏は「コ・ス、ペ・ヨンジュン、チョン・ギョンホらもデビュー1年以内に主演の座をつかんだケース」としながらも「これまで地上波のテレビ局は『単独主演』でなくても、ドラマの雰囲気に合う新人を発掘し前面に押し出す実験をすることに弱腰だった」と話した。

 キャスティングの際、外見に重きを置いた場合、後遺症が伴う。ヴァンパイアの医師をテーマにした『ブラッド』のキ・ミンス監督は先月、制作発表会で「ヴァンパイア役にピッタリのルックスだった」とアン・ジェヒョンのキャスティング理由を説明した。放送後、視聴者掲示板には「主人公の『未熟な演技』のせいでドラマに集中できない」という評価が相次いでいる。ドラマは視聴率4-5%台の不振にあえいでいる。

チョン・サンヒョク記者
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